ランチパック「シューマイ」「シュガーマーガリン」。細かくてもシンプルでも独自の世界観がにじみ出るパッケージイラスト。

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スーパーやコンビニのパン売り場でおなじみの「とじてるサンドイッチ」、「ランチパック」。ヤマザキから発売していて、毎月新しい味が期間限定で多数登場するシリーズです。食べたことある人、見たことある人も多いと思います。

天文学的種類数が存在するランチパックから、今回はシュではじまる2つの味をご紹介。「シューマイ」と「シュガークリーム」です。

「シューマイ」。包み系意欲作です。実は「包んでいる料理をまたさらにパンで包む」こと自体は、奇行ではなく理にかなっていて、具とパンの間に壁を作ってやることによってパンに染みたり形が崩れやすいとかそういうことを防げます。コロッケサンドなどもそういうやり方かもしれません。

だけどシューマイです。僕はランチパックを買うとき、ほとんどの場合、パン売り場全体を見てから買うことにしています。周りにシューマイのサンドイッチみたいなのはありません。誰も追随できない境地であると同時に、別にあんまりやりたいとも思わないのでしょう。でもこれを出すのがランチパックであり、それを食べるのが僕らです。

トータルとしての食べた感想は、「こだわり肉まん」という感じですが、醤油っぽいタレ、肉まんの具みたいにバラバラしてなくてギュっとした中身がシューマイらしさをキチンと味合わせてくれます。具の下味もきちんと付いていておいしいです。

サンドイッチの構造上「平らにしたシューマイ」ときちんと説明しているのがかわいらしいパッケージですが、イラストがすごいです。横浜中華街のお店が監修していることもあり、しっかりそれっぽい服装になっている男の子と女の子。そしてこの「風邪にカイゲン」の風神テイスト龍の人当たりの良さそうな感じがたまりません。

このドラゴン、おなかがすいているのか超低空飛行&シューマイを直視、ですが、その手元、ツメの異次元具合を見れば相当のドラゴンであることは間違いないです。なんかめらめらしている。

一方「シュガーマーガリン」はシンプルでいて深みを持つスイーツランチパック。

パッケージには銀紙を剥いだだけの長四角い素のマーガリンに粉砂糖を直でかけてしまう、完全なカロリーモンスターを装う2人。だがしかしこれが1人分の材料だなんて誰も言ってませんからね。ピュアな気持ちで作っているということが伝えたいんだと僕は思います。

中身はぎとぎとしていない、マーガリン風あまいクリームという感じで、食感担当のシュガーもじゃりじゃりというよりも極小型のクランチに近い印象。ざくざくしています。

ランチパックは毎月新製品が登場、今は「きなこもち」とかいろいろ出ています!「シューマイ」などは地域限定で、他にもその土地に関係するいろんな味が出ていますよ!拙著『ランチパックの本』もよろしく!
(香山哲)