CES 2012でUltrabookについて説明するIntel社長兼CESのポール・オッテリーニ
2011年の6月にそのコンセプトが発表されたUltrabook(ウルトラブック)だが、2011年末から2012年初頭にかけて、Ultrabook第1弾と呼べる製品が多数登場し、市場でも一定の人気を得ているようだ。

今後も新製品が多数予定されているが、Ultrabookの本命は2013年にインテルから登場する新プロセッサHaswell(コード名)を採用する製品と言われており、それまでにどう成長していくか注目される。

しかし、そもそもUltrabookとは何だろうか?

■スマートフォンやタブレットに飲み込まれるパソコン
日本では高機能でインターネットにも接続できる携帯電話の影響などいくつかの要因で、一般家庭でのPC所有率は他の先進国に比べ低い。他の先進国なら、一般的にパソコンを使いメールなどインターネットを活用しているが、スマートフォンやタブレットの普及により、日本と同じようにパソコンから離れていくことが予想されている。

スマートフォンやタブレットはメールの送受信などの簡単なコンテンツ作成や、インターネットなどの利用には問題が無い。従来このような用途に使われていたのがネットブックなどのパソコンだ。

ASUSのEeePCやAcerのAspire Oneなどのネットブックは、2008年から2009年頃にヒットした。このネットブックは主に動画試聴やWebブラウズなど、コンテンツを利用するのに適した製品だった。

このようなコンテンツ利用用途なら、基本的に電源を切らずにスリープ状態を維持するスマートフォンやタブレットの方が、コンパクトでいつでもどこでも使えるため便利だ。

実際、ネットブックの人気は2010年のスマートフォンやタブレットが本格的に普及した頃から陰りを見せている。

アプリ次第だが、iPadやiPhoneの場合、動画編集のiMovieや音楽作成のGarageBandなど、従来パソコンで使用していたような用途でも、タブレットやスマートフォンでもある程度できるようになっている。

今後、性能が向上することで、タブレットなどの性能はさらに上がり、パソコンの必要性はさらに低下していくことが考えられる。

そこで、従来のパソコンの性能や使い勝手をさらに向上させ、今までとは違う新しいカテゴリの製品として消費者にアピールしていくのがUltrabookとなる。

■今までのPCではない新しいカテゴリーの製品がUltrabook
Ultrabookの説明はインテルも各所で解説しているが、日本HPのHP Envy 14 Spectre発表会でのインテル株式会社 宗像副社長の説明が比較的わかりやすい。

Ultrabook とは - HP Envy 14 Spectre Ultrabook 発表会(動画)

宗像副社長は、Ultrabookはタブレットなどと同様のすぐに使える即応性に加え、「処理スピードの高さ、堅牢なセキュリティ、大きな画面でみれる、洗練されたデザイン性」などの特徴をもち「パソコンのカテゴリをさらに前に進めて、今までのパソコンを超えた新しいカテゴリのパソコン」とUltrabookを表現した。

まだUltrabookの第1段となる製品が出てきた段階だが、タブレットなどより性能の高いコンピューティング体験を提供しようとしている事はわかる。

これが2013年までにどのように進化していくのか。スマートフォン、タブレット、Ultrabookと従来型パソコンの4つのカテゴリが競争し進化していくのかも含め、今後が楽しみなところだ。

インテル Ultrabook

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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