第1試合が終わると国立の雰囲気が変わった。
INACの選手に対するリアクションが凄い。
少女が仲間と声を揃えて「○○さ〜ん」と呼びかけていた。
やっぱり海堀あゆみ、川澄奈穂美、澤穂希の人気は格別。
彼女達は「スポーツ少女のロールモデル」的存在なのだろう。
1980年代の女子プロレスラーに近いと思う。

全日本女子サッカー選手権準決勝。
第2試合は岡山湯郷BelleとINAC神戸の対戦である。
INACは昨年の全女で初優勝。
今季は澤穂希ら4選手がベレーザから加入。
Lリーグも初優勝している。
ワールドカップには7選手が選出された。
湯郷の「なでしこ」は宮間あや。日本の中盤を支える司令塔である。

岡山湯郷Belle
GK  1 福元美穂  83.10.02 165/66 神村学園高
DF  5 壺井綾子  89.05.15 157/52 アギラス
    2 安田邦子  85.11.13 154/50 鳳凰高
   13 秋葉夢子  87.03.12 161/52 日本体育大
    3 加戸由佳  90.06.19 162/54 HAJAXS FC
MF 20 高橋悠   87.06.02 156/48 吉備国際大
    7 中野真奈美 86.08.30 159/56 大原学園
    9 中川千尋  87.07.10 150/44 大原学園
   10 宮間あや  85.01.28 157/51 Atlanta Beat
FW  8 有町紗央里 88.07.12 169/55 大原学園
   11 松岡実希  87.01.26 162/57 神奈川大

−−−−松岡−−−−有町−−−−
−−−−−−−宮間−−−−−−−
−−中川千−−高橋−−-中野-−−
−加戸−−秋葉−−安田−−壺井−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−福元−−−−−−−

INAC神戸レオネッサ
GK  1 海堀あゆみ 86.09.04 170/64 FC高槻
DF  5 近賀ゆかり 84.05.02 161/53 日テレ・ベレーザ
    2 甲斐潤子  84.03.24 162/54 TASAKI
    4 田中明日菜 88.04.23 164/52 TASAKI
    6 那須麻衣子 84.07.31 161/54 伊賀FC
MF  8 澤穂希   78.09.06 165/54 日テレ・ベレーザ
   13 南山千明  85.10.16 163/52 日テレ・ベレーザ
    7 池笑然   91.02.21 161/50 漢陽女子大
FW 11 高瀬愛美  90.11.10 164/60 北海道文教大学明清高
   10 大野忍   84.01.23 154/50 日テレ・ベレーザ
    9 川澄奈穂美 85.09.23 157/49 日本体育大

−−川澄−−−大野−−−高瀬−−
−−−−-池-−−−−南山−−−−
−−−−−−−-澤-−−−−−−−
−那須−−田中−−甲斐−−近賀−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−海堀−−−−−−−


湯郷は中盤がダイヤモンドの4-4-2。
宮間あやは澤穂希と「世界最高レベル」のマッチアップだ。
INACはいつもの4-3-3である。
ただ両ワイドが高く張り、大野忍は「引き気味のCF」だった。

1分、INACは那須麻衣子が押し上げて相手DFのクリアを奪う。
那須は縦に当て、川澄奈穂美が絶妙のタメから裏に落とす。
那須がゴール前に抜け出して悠々と流し込んだ。
<INAC神戸レオネッサ 1−0 岡山湯郷Belle>
INACがカウンターからあっさりと先制する。
地力の違いは明らかだった。

9分、INACは那須麻衣子がパスカットから中に当てる。
池笑然はエリア左にスルーパスを出す。
大野忍が抜け出してシュートを狙うも弱い。

INACは両SBの動き方が面白い。
近賀ゆかりは「3人目のウイング」として高く張り出す。
縦へのスプリント、突破を生かす狙いだろう。
那須麻衣子は「2人目のアンカー」として中に絞る。
彼女のパスカット、起点になるパスが生きていた。
マイボール時の絡み方がそれぞれ独特である。

12分、INACは近賀ゆかりが右サイドから好フィード。
高瀬愛美はエリア右に抜け出して折り返す。
川澄奈穂美が右足ボレーを狙った。
決定的だったけどGK福元美穂の正面。

14分、湯郷はFKのチャンス。
宮間あやが右中間から20mの距離を右足で直接狙う。外。

17分、神戸は澤穂希がDFの裏へ一発スルーパス。
川澄奈穂美が右アウトで冷静に転がす。
入ったと思ったけど右ポストに嫌われた。

23分、INACは大野忍が左に開く。
川澄奈穂美が左足のワンタッチで中に当てる。
池笑美はDFの裏に絶妙スルーパス。
川澄がワンツーからエリア左に抜け出し、右足で流し込んだ。
<INAC神戸レオネッサ 2−0 岡山湯郷Belle>

40分、INACは川澄奈穂美が左サイドで池笑美とワンツー。
川澄が池のスルーパスからエリア左に抜け出す。
決定的だったけどGK福元美穂がよく飛び出して抑えた。

43分、INACは池笑美が左サイドに開く。
川澄奈穂美が左からすぐ中へ折り返す。
大野忍は絶妙の受けでDFの逆を取る。
自らシュートコースを作って、右足ミドルを狙った。
これが湯郷DFに当たってコースが変わり、ゴールイン。
<INAC神戸レオネッサ 3−0 岡山湯郷Belle>

湯郷は最終ラインを高めに上げ、コンパクトに戦う狙いだ。
相手ののパスワークをゾーンで潰す狙いだろう。
ただその副作用として裏を狙われていた。
INAC最大の攻め手は左サイド。
川澄奈穂美が切れ切れで、簡単にスペースに抜け出してしまう。
特に池笑然との連携が良く、ワンツーを面白いように決めていた。