そして、長友の2つのアシストについては、どちらもスピードを活かした簡単なフェイントで相手をかわしており、以前に、長友はスピードがあるのだから簡単なフェイントでも相手を抜いていけるはずだ、タイミングを外すだけのフェイントでも相手をかわせるはずだ、という趣旨の事を書いたと思うのですが、そういう仕掛けだったように思います。

今までの長友のドリブルというのは、緩急が無く、トップスピードから更にスピードを上げて相手をかわそう、もしくは、タイミングを外すという事をせず、とにかくスピードだけでかわそうとする、そういうドリブルでの仕掛けが多くて、だからボールを前に出しすぎてゴールラインを割ってしまったり、トップスピードでも相手に付いて来られてしまっていましたが、今の長友のドリブルでの仕掛けは相手をよく見て、タイミングを外してかわすので、それならば長友のスピードがあれば、簡単なフェイントでも相手をかわす事ができますよね。もしくは、かわしきれなくても、センタリングを上げるだけの間合いは作れる、という事ですよね。

更には、センタリングについても良くなっていて、今までの長友のセンタリングというのは、ゴール前の中央に上げる事が多かったのですが、もしくは、ニアのゴールに近いところへ速いボールを出す事が多かったのですが、この試合では、ニアでもマイナス、そして、ファーサイド、そこへセンタリングを出すようになっていました。

フォルランがゴール前の中央のマイナス地点でフリーになっていて、それに気が付かずファーにセンタリングを上げてしまった場面はありましたが、しかし、ピンポイントクロス以外の場合は、基本的には、センタリングはファーサイド、もしくは、ニアならマイナス、そこを狙った方が良いですよね。つまり、センタリングはスペース出す、相手のいないところへ出す、味方がそこへ走り込むと思うところへ出す、という事ですね。

という事で、これが2011年の試合の最終戦となりましたが、長友のパフォーマンスがグッと上がってきたな、という事を感じました。ドリブルでの仕掛け、センタリングの質、そして、空中戦、ヘディングも随分と上手く強くなってきていて、今の長友の高いパフォーマンスであれば、インテルでもスタメンを外れる事は、まず無いかなと思います。2012年も、このままの高いパフォーマンスでの活躍を期待したいですね。