【編集部的映画批評】一瞬でサラリーマンの“高級ランチ”が消える
皆さんが「この映画はハリウッドっぽい」と感じるのはどんな作品を観た時だろうか。有名スターがたくさん出ている時、スケールが大きい時、はたまた大雑把なつくりの時など様々あるだろうが、いわゆる“ケチくさくない”映画を観た時に、そういう感情が生まれないだろうか。21日公開となるこの映画は、邦画ではあるが“ケチくささ”を感じない作品である。
イケメン俳優が多数出演しているが、個人的な感想としては「デートムービー」ではないと感じている。原作漫画も1970年と昔のものなので若い層にはなじみがないし、ロマンスシーンが多いわけでもない。それよりもアクションの迫力や爽快感の方が強い。男同士で劇場に行って、観た後に「あのシーンが格好良い」「このシーンが渋い」と酒を酌み交わしながら熱く語れる作品なのではと。「西部警察」が好きな人ならば、この映画を結構楽しむことができると思う。
・『ワイルド7』 - 作品情報
・編集部的映画批評
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『ワイルド7』
元犯罪者によって警視庁内に構成された、超法規的機関“ワイルド7”。罪を免除する代わりに彼らに与えられたのは、凶悪犯の退治だった。ある日、任務遂行中に何者かが犯人を射殺し、飛葉はすぐさま追いかけるも見失ってしまう。そんな中、ユキという女性に出会い――。(作品情報へ)使用弾丸1500発!過激に撃ちまくり
マシンガンを乱射し、爆弾で爆破し、バズーカ砲が火を噴く。とにかく撃って、撃って、撃ちまくる映画だ。日本の映画でこれほどまで銃を乱射する映画は近年なかったのではないだろうか。撃ち放った銃弾の数はなんと1500発。安い銃弾だと1発100円ぐらいのものもあるらしいが、この作品で使われたものは「弁当代以上」と語られている。おそらく1発1,000円から2,000円なのではないだろうか。それが1500発だ。「1発1,000円だから計算すると、何だ150万円か」と思うかも知れない。だが、想像してみよう。「バン!」と一回引き金を引くだけで、高級ランチのお膳が目の前から消える感覚を。それを惜しげもなく1500発も撃ちまくっているのだ。洋画並みの爽快感がある邦画である。シリアスな深田恭子も魅力的
深田恭子というと「お嬢様」「天然」「ロリータ」というような何となく“かわいい系”のキャライメージがある。しかし、今回の深キョンは、銃をぶっ放すわ、バイクを乗り回すわで、そんなイメージが微塵もない。まさに“ワイルド”な女性になっている。しかも、笑いの要素が全くなく、シリアス。心に闇を抱えた女性を演じている。だが、それが別に悪い気がしない。むしろ「頑張っているな、すごい!」と感心してしまう。以前、実写映画『ヤッターマン』でドロンジョを演じたが、最初、彼女が役に決まった時に、ネットでは「イメージが違う」と大騒ぎ。だが、実際にフタを開けてみれば、それ程、違和感がない。というか、役に良くはまっている。与えられた役に対して、観客の期待以上のパフォーマンスを出す深田恭子の女優力は本当に素晴らしい。この映画でも新たな魅力を発見できる。思想を入れるところが、やはり日本映画
この作品は、ハリウッドを意識してつくられたのではないかと思う。空撮を使った場面転換や先に述べた派手な銃撃戦など、ダイナミズムを意識的に取り入れている。ただ、“心”の部分については、日本的な要素でまとまっている。例えば、飛葉大陸の“孤独”や“悲しみ”“葛藤”のような心の傷を表現する手段として、一匹じゃないと生きられない魚を登場させるところなどは、いかにも日本的ではないだろうか。ハリウッドアクション映画というと「とにかく派手に!」という部分が強調されて、心の葛藤の部分があまりクローズアップされないことがある。ある意味、何も考えずに爽快感を楽しむという場合はハリウッド方式が良いかも知れない。ただ噛みしめて映画を観る日本人には、多少、この作品のように思想要素を入れる方がウケが良いのかも知れない。イケメン俳優が多数出演しているが、個人的な感想としては「デートムービー」ではないと感じている。原作漫画も1970年と昔のものなので若い層にはなじみがないし、ロマンスシーンが多いわけでもない。それよりもアクションの迫力や爽快感の方が強い。男同士で劇場に行って、観た後に「あのシーンが格好良い」「このシーンが渋い」と酒を酌み交わしながら熱く語れる作品なのではと。「西部警察」が好きな人ならば、この映画を結構楽しむことができると思う。
・編集部的映画批評
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