Android搭載携帯電話に続き、アップル製品に強力なライバルが登場した。Androidを採用したタブレット端末「Kindle Fire」(キンドル・ファイヤ)である。Androidの快進撃で、iOSは「風前の灯火」なのだろうか?■Kindle Fireは価格破壊
Kindle Fireのスゴイ点は、その低価格である。199ドル(米国内価格)という価格で、現在の円ドルレートでは1万5000円台前半。4万円台後半からのiPadはもちろん、他のAndroid搭載端末と比較しても、その「激安」ぶりは際立っている。かなりインパクトがある価格差で、iPadのシェアを一定程度奪うことは確実だろう。

「激安」が可能となる理由は、アマゾンはコンテンツを売ることで利益を得る企業であり、端末で利益を得る必要はないということだ。

■抜けられないアップルの「生態系」
だが、アップル製品を侮るのは禁物。同製品は独自の「生態系」をもっており、いちどハマると抜けられない力をもっているからだ。

まず、iTunes Storeで購入した楽曲や映像は、基本的にiPod/iPhone/iPadでなければ再生できない。また、スピーカーやコンポなど、サードパーティー製の「ドック」(iPod/iPhone/iPadの接続ポート)対応製品も数多く発売されており、これらの製品を所有しているユーザーには「次もアップル製品」という動機づけが働く。同じiOS対応アプリの豊富さもウリの一つだろう。

携帯音楽プレイヤー市場におけるiPodのシェアは徐々に落ちているが、「ユーザーは(同じように楽曲を再生できる)iPhoneに移行しているだけ」という見解に説得力があるのは、こうした理由からだ。ただ、同じ「ドック」を有する製品でも、「iPodには対応するがiPhoneには非対応」といった製品は少なくない。このあたりは、アップルによる「生態系」の死角ともいえる。

■Android他陣営への脅威が大きい
話をKindle Fireに戻すと、むしろこの製品を脅威と受け取るのは、同じAndroid搭載のタブレット端末だろう。アマゾンのように独自コンテンツをもたない他社は、価格競争で勝つことはできまい。

アップルも可能な範囲でiPadを値下げしてくるだろう。タブレット端末は、アップルとアマゾンの「二強」となる可能性が高い。


大島克彦@katsuosh[digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
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