経営者、リーダーの仕事として、意味あるストーリーを紡ぎだし、周囲に浸透させるというものがあります。ただ、これを自己保身のために使ってしまうと非常に性質が悪いです。本来は、みんながハッピーな未来を描くために使うべきことです。


 ストーリーの力は強力です。細かいストーリーを紡ぎつつ、それが大きなストーリーに繋がっていると、更に強力なマネジメントとなります。

 ただ、なかなか前向きに使える人も少ないかもしれません。

 私が見た、すごく悪い例を書きましょう。

 人はなかなか、自分の失敗を認められないものです。

 私が見た中で、たちが悪いな、と思ったのは、部下を育てる能力がないことを認められない人でした。彼は自分で物事を処理する能力はあるのですが、オリジナルのスタイルで、なかなか真似できないスタイルでした。

 でも、その認識が彼自身にない。

 そうすると、なぜ俺と同じことができないんだ?となります。

 ステップに分けたとしても、多分、同じことはできないだろうな、と傍から見ていて思いました。

 ちょっと、ベースの能力が低い部下がいました。彼とやっても、絶対伸びないだろうな、という人でした。

 「育てるんだ!」とその上司は一生懸命、彼と仕事をしました。でも、伸びるわけがないと思いました。結局、自分のスタイルの押し付けだったからです。

 そして、しばらくして、彼を育てるのを諦めたようでした。

 その後、その人が作っているストーリーにも、気分が悪くなりました。

 自分が育てられなかった人は、誰も育てられる人ではなかったのだ!というストーリーを前提とした言動をして、そういうストーリーを定着させようとしていたのです!

 見ていて、気分が悪いかったですね。本当に。

 その部下の人が、誰かの手にかかってできるようになったら困りますよね。

 自分のマネジメント能力、育てる能力のなさを示していますから。

 ある意味、自己保身です。


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