「世界3大メーカー」の一角を占める日本企業に“異変”が。「円安の好影響」を受けるはずも、「売上微減」の謎に迫る
◆特需反動超える成長鈍化と新台頭
シマノはコロナ禍で自転車特需の好影響を受けた2022年の自転車事業の売上高が5049億円でした。しかし、2025年は3550億円。ピークと比較すると3割以上も減少となります。シマノは売上減の要因として、ブームの落ち着きやインフレによる景況感の悪化を挙げました。しかし、シマノは原材料高騰の影響などを受けて変速機などの値上げを実施。シマノの自転車事業の売上は9割以上が海外を占めるため、円安の好影響も受けるはずです。しかし、2025年の売上は微増、2026年上期は微減でした。つまり、コロナ特需の反動だけでは説明しきれない成長阻害要因を抱えている可能性が高いのです。脅威と言えそうなのがアメリカのスラムの台頭でしょう。
◆スラムの「革新が生む好循環」
スラムはマウンテンバイク(MTB)に強みを持つコンポーネントメーカー。しかし、最近になって急速にロードバイクにも広がってきました。そして、スラムは戦略的にそれを展開してきたメーカーだったのです。
ポイントはワイヤレス電子変速機構の導入です。スラムは2006年にロードバイクへと本格参入しました。2010年代はシマノとカンパニョーロが圧倒的だった時代です。スラムが一目置かれるようになったのが、2015年のワイヤレス電子変速「RED eTap」の投入でした。2016年に一般向けに販売を開始します。ワイヤレス機構は配線が減るためにフレーム設計の自由度を上げることができました。組みつけも容易で、メンテナンスの負荷を下げることにも役立ちます。
