今季限りでの辞任を表明した中日の井上一樹監督

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 中日の井上一樹監督(55)が今季限りで辞任することが29日、決まった。この日、バンテリンDで行われた全体練習後の取材で、「あと2試合を持って、辞任します」と表明した。3年契約2年目の今季はここまで141試合で59勝80敗2分けで最下位。12年を最後に遠ざかるクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性は既に消滅している。成績不振が決定打となり、自ら球団に申し入れ、了承された。

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 苦渋の決断を下した井上監督の目は、かすかに潤んでいた。「あと2試合を持って、辞任します。歯を食いしばってやってきたつもりですけど、ビリケツ(最下位)だった。自分が責任を取って辞めるのが一番ベストなのかな、という決断に至った」と言葉を絞り出した。

 2軍監督を経て、24年オフに1軍監督に就任。就任1年目の25年は63勝78敗2分けと負け越した一方、前年まで3年連続最下位だったチームを4位に引き上げた。しかし、球団創設90周年の今季は、岡林、上林、新外国人のサノーら主力の故障離脱が続出。開幕5連敗の泥沼スタートとなった。開幕18試合目で、早くも借金10を背負い、5月1日には球団史上最速となる28試合目で20敗目を喫した。

 シーズン序盤は苦しんだものの、7月は12勝11敗で、井上政権初となる月間勝ち越しを決め、8月には今季最長の5連勝をマーク。「ウィークポイントも明確になってきた。この選手はここを成長させなきゃいけない、というようなビジョンも持っていた。ただ、『来年3年目はこうしようぜ』というような世界でもないところが、心残り」。8月26日には、3位まで1・5ゲーム差と肉薄したが、その後の大一番を勝ちきれず。80敗中、逆転負けが40度と、継投などの采配ミスを指摘されることも少なくなかった。10月3日のヤクルト戦(神宮)がラストタクトとなる。

 後任については、球団OBでは侍ジャパン前監督の井端弘和氏(51)、外部なら巨人で2軍監督などを務め、現在はオイシックスCBOの桑田真澄氏(58)らが、候補に挙がる。加藤宏幸球団社長は「議論しているところ」と明言をさけたが、今後、本格的に人選を進めていく。

 ◆井上 一樹(いのうえ・かずき)1971年7月25日、鹿児島県生まれ。55歳。鹿児島商から1989年ドラフト2位で投手として中日に入団。93年途中から外野手に転向。通算1215試合で打率2割7分5厘、79本塁打、349打点。名古屋市内の小児科病棟を訪問し、子どもたちにプレゼントを贈るなどの社会貢献活動が評価され、2003年に報知新聞社制定「ゴールデンスピリット賞」を受賞。09年限りで引退後は中日2軍監督、阪神ヘッドコーチなどを歴任。現役時代は184センチ、93キロ。左投左打。