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非正規雇用の公務員らでつくる「公務非正規女性全国ネットワーク」(はむねっと)は9月16日、東京・霞が関の厚生労働記者会で記者会見を開き、国や自治体などで非正規として働く人を対象にしたアンケート調査結果を発表した。

年間の就労収入が250万円未満の人は46%にのぼり、94%が将来への不安を感じていると回答した。給与や休暇制度の改善がみられる自治体がある一方、低賃金や雇用不安、正規職員との待遇格差といった課題が、あらためて浮かび上がった。

調査は今年で6回目。今回初めて、職場で感じる問題として「出産・子育ての展望が持てない」という選択肢を設けた。自由記述には「子どもを持つことは諦めた」などの声も寄せられた。

●回答者の93%が女性、半数近くが年収250万円未満

調査は今年5月18日から6月21日にかけて、インターネット上で実施された。国の機関や自治体などで非正規として働いている人や、直近で離職した人などが対象で、582件の回答のうち576件を有効回答として集計した。

回答者の93%にあたる536人が女性だった。40代と50代で63%を占め、最終学歴が大学・大学院の人は60%にのぼった。また、回答者の約7割が、自治体で原則1会計年度を任期として働く「会計年度任用職員」だった。

勤務時間では、週30時間以上働く人が約6割を占めた。一方、年間の就労収入は「200万円以上250万円未満」が18%で最も多く、250万円未満を合計すると46%にのぼった。

36%は、自分が家計の「主たる生計維持者」だと回答。自分の収入がなくなった場合、家計が「非常に厳しい」と答えた人も半数を超えた。

自由記述には「生活できる給与ではない」といった低賃金をうったえる声のほか、「若い人の職業の選択肢に入らない」と、将来の担い手不足を懸念する声も寄せられた。

●正規職員を指導する非正規職員「おかしな状況」

非正規という立場のまま、長年にわたって公務の現場を支えている人も少なくない。現在の職場での勤続年数が6年以上の人は45%、11年以上の人も26%にのぼった。

調査では、正規職員への業務指導や人材育成、新人研修など、単なる「補助」とはいえない業務を担っている人もいた。こうした業務に携わる人の6割以上は、同じ職場で11年以上働いているという。

長年の経験を持つ非正規職員が、異動してきた正規職員に仕事を教える人。一方で、会計年度任用職員は原則として1会計年度ごとの任用で、任用されるたびに条件付き採用期間が設けられる。

はむねっとは会見で、4月1日に新たに着任した正規職員に、条件付き採用期間中の非正規職員が仕事を教えているケースもあると説明。「そういうおかしな状況が全国の地方自治体で起きている」と指摘した。

●「育休が無給」「時短勤務がない」出産・子育てにも格差

今回、はむねっとが初めて調査項目に加えたのが、出産や子育てをめぐる問題だ。

「公務職場で働く中で特に問題だと感じていること」を3つまで選ぶ設問で、17人が「出産・子育ての展望が持てない(休暇制度があっても利用しづらい、正規職員との格差が大きいなど)」を選んだ。

人数としては回答者全体の一部にとどまるが、自由記述には、非正規という働き方が人生設計にも影響していることをうかがわせる声が寄せられた。

「育休が無給」 「子どもを持つことは諦めた」 「産休復帰時から時短勤務を取りたかったが、『時短勤務がない』と言われた」

こうした待遇は、現在働いている人の生活だけでなく、将来の「担い手」の確保にも影響しているという。

とりわけ消費生活相談員からは、専門性が求められる仕事でありながら待遇が低く、若い世代が職業として選ばなくなっていることへの危機感が寄せられた。

はむねっとは、消費生活相談員から寄せられる声は特に切実だと説明。対策を取らなければ「消費生活行政そのものが崩壊する」と現場の人たちが感じているとしたうえで、学校や保育所など、ほかの現場でも同様の問題が起きているとの認識を示した。

●「附帯決議をつけたのであれば、行政側が責任を」

はむねっとは、こうした状況を改善するため、国にさらなる対応を求めている。

会計年度任用職員制度は、2017年に成立した改正地方公務員法・地方自治法によって創設され、2020年4月に施行された。法案審議の際、衆議院総務委員会では附帯決議が付されている。

附帯決議では、人材確保や雇用の安定を図る観点から、任期の定めのない常勤職員を中心とする公務の原則を踏まえ、会計年度任用職員についても任用のあり方を引き続き検討するよう政府に求めた。

また、適正な勤務条件の確保や、育児休業・休暇制度の整備について自治体に適切に助言することも盛り込まれた。制度の施行後には実態を調査・検討し、短時間勤務の会計年度任用職員の給付や、公務における「同一労働同一賃金」のあり方に重点を置いて、必要な措置を講じるよう求めている。

今回の調査では、低賃金や雇用の不安定さ、正規職員との待遇格差に加え、出産・子育てをめぐる格差など、附帯決議で対応を求めた課題と重なる声が寄せられた。

はむねっとは会見で、附帯決議を踏まえたさらなる検討や対応が必要だと指摘。「国会のみなさんが附帯決議をつけたのであれば、ちゃんとそれの実行ということを行政側が責任を果たしてほしい」とうったえた。