ついつい食べ過ぎてしまう“夏の風物詩”

写真拡大

 猛暑、いや、酷暑の昼食。あまりの暑さに食欲がないから、そうめんくらいしか食べられない。だが、それだけでは健康に悪い。何しろ野菜が一つもない。それなら市販の野菜ジュースを添えよう。固形物ではないから野菜ジュースなら何とか喉を通る。そうめんは小麦粉でできているので炭水化物。ちゃんとした主食だ。さらに野菜も食べていることになるわけだから、栄養バランスも取れている──。この考えに間違ったところは何もないと同意する人は多いのではないだろうか。

***

【写真を見る】おいしく“栄養補給”のはずが糖質の過剰摂取につながりかねない“意外な飲み物”。実は、“スムージー”にも落とし穴が

 だが、この献立には問題があるという。しかも炭水化物のそうめんではなく、健康食品というイメージが強い「野菜ジュース」が問題だというのだ。野菜ジュースの何が問題なのだろうか。

ついつい食べ過ぎてしまう“夏の風物詩”

 東京都品川区戸越で「秋津医院」を経営し、多数の著作で知られる秋津壽男医師は「野菜ジュースは野菜の代わりにならない、という点に注意してください」と言う。

「普段から野菜を食べていて、たまに野菜ジュースを飲むという生活なら全く問題はありません。一方、何らかの理由で野菜が不足しており、それを補おうとして野菜ジュースを飲むという場合は、気をつけなければならないことがあります。実際に野菜だけでジュースを作ると、かなり飲みにくい味なのです。その味を調えるため、市販の野菜ジュースはリンゴジュースやぶどうジュースを加えているものがあります。さらに、加糖しているものも珍しくありません」

 糖分を摂取できるという意味で健康的なイメージが強い野菜ジュースも、不健康だと敬遠する人も多い炭酸飲料と同じだということになる。

「野菜には健康にいい繊維質を含まれていますが、ジュースだと失われてしまうのも問題です。また、液体を飲むので、咀嚼(そしゃく)力の減退も心配されます。特に高齢者は要注意でしょう。さらに、市販の野菜ジュースを飲み過ぎると糖質=糖類の過剰摂取につながる可能性があります」(同・秋津医師)

スムージーでも要注意

 糖質の過剰摂取は脂肪肝のリスクを高める。秋津医師によると「肝臓に悪いという局所的な話ではなく、血糖値が上がることにより、身体のトータルバランスが崩れることを心配すべきでしょう」と言う。

 健康に関心の高い人は「野菜ジュースと違って、スムージーには食物繊維が豊富」と思っていることだろう。

「確かにスムージーは野菜の食物繊維を壊しません。たとえば、小松菜だけでスムージーを作れば、これは小松菜を食べているのと同じですから置き換えができます。ただし、飲みにくいと感じる人が少なくないでしょう。そのため多くの人は、冷たくした牛乳や豆乳だけでなく、さらに冷凍果物を加えてブレンダーやミキサーで攪拌するのではないでしょうか。こうなると果糖の問題と咀嚼の問題が残りますし、温度という新しい懸念が生じます。冷凍果物を使うとスムージーの温度は0度ぐらいになります。常飲していると腸が冷えすぎて、腸の活動が衰える可能性があるのです。つまり、結局は毎日の食卓で野菜サラダ、煮物、お浸しや胡麻和え、こうした料理を普段から味わっているのなら、特別に野菜ジュースを飲む必要はないのです」(同・秋津医師)

デイリー新潮編集部