映画独自解説家の守鍬刈雄が「「ドラマなふたり」を試写で観たよ」を公開した。A24が手掛けるゼンデイヤとロバート・パティンソン主演の新作映画『ドラマなふたり』の試写レビューを通じ、本作が単なるラブストーリーではなく、人間の心理を巧みに突いたスリラーであることを解説している。

守鍬は本作について、「A24ラブストーリー史上No.1大ヒット」と宣伝されているものの、実態は「恋愛映画の皮を被った心理スリラー、いや心理ホラーだ」と指摘。監督を務めるクリストファー・ボルグリの手腕に触れ、人間の承認欲求や現代社会の歪みを描くことに長けた監督ならではの「かなり嫌な映画」に仕上がっていると語る。

物語は結婚式を目前に控えた一組のカップルが、ある秘密をきっかけに関係を崩壊させていく様子を描く。原題である「The Drama」には、テレビドラマのような意味合いではなく、「人間関係における面倒くさい揉め事や騒動」という意味が込められていると解説。観客に対しても「愛する人の過去をどこまで受け入れられるか」という重い問いを突きつける内容になっているという。

さらに守鍬は、本作が単なる恋愛模様にとどまらず、「今のアメリカ社会そのものを映した作品」であると分析する。「人は変われる」「過去だけで人を裁いてはいけない」という価値観が語られる一方で、絶対に許されない一線を越えた瞬間、激しい非難の対象になるという現代社会の矛盾を浮き彫りにしていると語る。

総括として、本作を「見終わってから本番が始まる映画」と表現。自分ならどうするかと考えさせられる、人間心理を鋭く描いた作品であり、「今年最も人によって評価が分かれそうな問題作」だと期待を煽った。