7日に行なわれるチャンピオンズ・リーグ(CL)決勝トーナメント1回戦の第2戦でPSVと対戦するアーセナルのアーセン・ベンゲル監督は、FWティエリ・アンリのスタメン復帰を示唆した。

 アウェイの第1戦を0−1で落としているアーセナル。ベスト8進出にはゴールが不可欠となる第2戦に、足の故障で戦列を離れていたアンリの復帰が濃厚となった。2週間前の第1戦では、痛み止めの注射を打って強行出場しながらノーゴール。その後、足の状態を悪化させ、リーグ戦やカップ戦など、合計3試合を欠場していたエースストライカーだが、大一番に向けてコンディションを調整。指揮官のベンゲルも、頼れるエースの復帰を歓迎している。

「ティエリはスタメンで出場できる状態だ。コンディション面の問題はない。彼はゴールを奪えるだけでなく、相手チームに与える心理的プレッシャーが他の選手とは比べ物にならない。ピッチ上の選手は全員重要な存在だが、ティエリが特別な影響力を持っているのは事実だ」

 さらに知将ベンゲルは、敗戦を喫した第1戦の教訓を元に、PSV攻略法をすでに練り上げているようだ。

「第1戦の感触から言えば、PSVは倒せない相手ではない。エリア付近で早いパス回しを徹底して、チャンスを確実に決めること。それが我々の課題だ。オランダで負けたのは、後半に入ってプレッシャーを緩めたからだ。第1戦と同じく、PSVは守備的にくるはず。とにかく、90分間プレッシャーをかけ続けることが重要となる」

 国内リーグでは首位マンチェスター・ユナイテッドに勝点20の差をつけられ、FAカップはすでに敗退。決勝戦まで進んだリーグカップでもチェルシーに敗れており、アーセナルに残された現実的なタイトル獲得の可能性はCLのみ。このままでは終われないベンゲルは、エース・アンリの決定力に最後の望みを託すつもりだ。