これ以上深く潜らないためにも、まず一つのトップが必要だった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2024-25」11月1日の第2試合は渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)がトップ。渾身のリーチでド高目をツモ、終盤は得意の守備力で逃げ切った。

【映像】多井隆晴、渾身のド高目倍満炸裂の瞬間

 第1試合は日向が大きく沈んだ3着。この結果、チームのマイナスはついに400以上に膨れ上がった。風向きを変える結果が欲しい、そんな状況で登板を任されたのが絶対的エース・多井だ。試合は起家からKONAMI麻雀格闘倶楽部・滝沢和典(連盟)、EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)、多井、U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)の並びでスタートした。

 試合は滝沢が満貫ツモで先行。多井は東4局1本場、小林から5200点(+300点、供託1000点)をアガり、滝沢に迫る。南1局、多井に二の矢を放つチャンスが訪れた。5巡目にイーシャンテン。8巡目に1・4・7索待ちのリーチをかけた。ドラは4索、4・7索でアガれば234の三色同順が完成だ。

 「1索でアガると3900。アガろうか迷っていた」というこの手、多井は終盤にドラ4索をツモ。大事そうにめくった裏ドラは1枚乗り、リーチ・ツモ・平和・三色同順・ドラ2・裏ドラの1万6000点のアガリだ。トップ目滝沢に親被りをさせ、ダントツ状態となった。その後はダマテンでライバルの親を流し、自身の連敗を2でストップ。今期2勝目を手に入れた。

 試合後、決定打となった南1局の倍満を「あまりこねくり回さず、シンプルに(234の三色同順となる)4筒や三万を引けたのはラッキーでしたね」と淡々と振り返った多井。リーグ7年目の今期は戦い方に思うところもあったようで「ここ1、2年、Mリーグの選手の入れ替えがあった。現代麻雀というか、どんどん進化していく麻雀の技術を自分なりに吸収したいというのもあり、いろいろやってみようと思っていたのですが、背伸びするのはやめました」。このコメントには視聴者からは「この年で学ぼうとするのエライ!」「一度立ち返ることも大事」「多井はやっぱ自分らしく打った方が強い」など様々な反響も寄せられた。

 改めて南1局の倍満に話題が戻ると、多井は「今シーズン初めて裏ドラが乗った。みんなのおかげです」とファンへ感謝。まだ先は長い、最後にファンへ「年内にマイナス100台、それを目標に頑張っていきます」と宣言した。多井にとって相性の悪い11月、昨年は出場ゼロ。今期はチームの窮地を救うべく、初心に返り底力を発揮した。

【第2試合結果】

1着 渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)4万6400点/+66.4
2着 EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)2万8700点/+8.7
3着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・滝沢和典(連盟)2万2200点/▲17.8
4着 U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)2700点/▲57.3

【11月1日終了時点での成績】

1位 セガサミーフェニックス +356.9(24/96)
2位 赤坂ドリブンズ +228.9(24/96)
3位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +117.6(26/96)
4位 U-NEXT Pirates +90.6(24/96)
5位 KADOKAWAサクラナイツ +74.5(24/96)
6位 TEAM雷電 ▲23.9(26/96)
7位 EX風林火山 ▲227.6(26/96)
8位 BEAST X ▲277.9(24/96)
9位 渋谷ABEMAS ▲359.1(26/96)

※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会

◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)