2024年6月13日、イタリアで開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)に際し、会見を開いたウクライナのゼレンスキー大統領=ロイター

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 北朝鮮のロシアへの派兵について、ウクライナのゼレンスキー大統領は1日、自身のSNSを更新し、「米国も英国もドイツも見ているだけだ」と批判した。

 北朝鮮兵がウクライナ国境に迫るなか、強い対応を取らない米欧に対し、いらだちを募らせている。

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 ロシア国内の北朝鮮兵の存在について、ウクライナのほか、米国や韓国、北大西洋条約機構(NATO)が確認している。英国防省も1日に「約1万人がロシア国内にいる。一部はすでに(ウクライナ軍が越境作戦を展開する)クルスク州に配置された」と指摘した。

 ゼレンスキー氏は、北朝鮮兵がいるすべての訓練所を把握していると主張。「機会さえあれば予防的に攻撃することもできるが、パートナー国次第だ」と訴えた。米国や英国は、ウクライナに提供した長射程の兵器について、ロシア領内に深く入った目標に使うことを認めていない。

 ゼレンスキー氏は「ロシアウクライナの戦争の拡大を防ぎたいと願うなら、ただ見ているだけではなく、行動しなければならない」と強調。「戦争のエスカレーション(激化)と拡大は許されないという言葉と行動を一致させる必要がある」と語った。(ロンドン=藤原学思)