ゴルフ場の跡地に巨大な「物流倉庫」周辺に学校・福祉施設…車両“1日5800台”出入りに住民や自治体から不安の声 東京・昭島市

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東京の多摩地域に建設が予定されている日本最大級の巨大物流センター。
その物流センターの建設をめぐり、いま波紋が広がっている。
住民や近隣の自治体から聞こえてきたのは、交通の安全面などに対しての不安。現地を緊急取材した。

東京ドーム12個分…国内最大規模の物流センター

巨大な物流センターが建設されるのは、東京・昭島市にあるゴルフコースの跡地。

JR昭島駅から徒歩約10分という、都内の物流センターでは珍しい駅チカの土地だ。

敷地面積は、東京ドーム12個分に相当する、約58万8000平方メートルと、国内でも最大規模になる見通しだ。

しかし、住民からは「緑が伐採されるのと、交通量が増えるっていう話も聞いてるので、その辺は心配」「風景が変わるなって感じがしますね。いろんな弊害がでてくるんじゃないですかね」
など、交通の安全面などに対して懸念の声があがっていた。

予定地は住宅街や学校に隣接していて、計画されている搬出入ルートの周辺には住宅街に学校、福祉施設があるため、児童や生徒の登下校時の安全に不安の声があがっていた。

交通量の増加も想定されていて、車両の出入りは、1日約5800台、うち大型トラックはピーク時に1100台にもなる計画となっている。

昭島巨大物流センターを考える会共同代表・長谷川博之さん:
ご覧のように後ろの道路なんかも片側1車線の狭い市道なんですね。もともとこんな大きな開発を受け入れる、社会的な受け皿ができていない。学校の子供たちの交通安全が非常に懸念されています。

隣の立川市からも懸念の声

不安は自治体にも広がっている。
安全対策など取るよう要望する中、昭島市のみならず、隣の立川市からも交通事情を懸念する声が上がっている。

酒井大史 立川市長:
交通渋滞等も懸念されます。市長としては大変ゆゆしき問題だという認識。

こういった要望をうけ、事業者側は、トラックの搬入時間や走行ルートを分散させて、走行車両が集中しないようにするほか、安全対策の実施に務めていくとの見解を示している。

この建設計画に関して21日、東京都環境影響評価審議会が答申をとりまとめた。
答申では、「地域と連携し、対策を検討していくことが重要である」と指摘した。

臼井伸介 昭島市長:
今後も注視して(事業者には)しっかりと対応していって欲しいと、重ねて申していきたい。

2025年の春ごろに予定されている工事の着工。
プロジェクトを担う日本GLPは、FNNに対して「答申の内容をしっかりと受けとめ、地域への環境影響を考慮し、計画を検討してまいります」とコメントしている。
(「イット!」10月31日放送より)