「もう結婚なんてしない」ガールズバー店員をナイフで刺殺…容疑者の母が明かした「凶行へ至る道」

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事件前の「意味深」な発言

「家で一緒にお茶を飲んでいるとき、『年の順番に死ぬわけじゃないからね』とあの子が言ったことがあるんです。なぜそんなことを言うたんだろうと不思議に思いましたが、あの子は決して健康なほうではないし、単に私のことを心配してくれているのかもしれないなと聞き流していました。そういう、優しい子だったんです……」

東京都港区新橋のガールズバーで従業員の谷沢優奈さん(18)を果物ナイフでメッタ刺しにした殺人未遂容疑(後に殺人容疑に切り替え)で警視庁愛宕書に現行犯逮捕された千明(ちぎら)博行容疑者(49)の母親は、そうつぶやくのだった。

「10月27日の早朝5時40分ごろ、新橋のガールズバーの店員から『店長が客を押さえているから、早く来てください』と110番があり、警察官が現場に駆けつけると谷沢さんが首を刃物で刺されて意識不明の重体になっていた。その後、病院に搬送されましたが、まもなく死亡が確認されました」(全国紙社会部記者)

谷沢さんの首には十数ヵ所の刺し傷があり、強い殺意を持っていたと警察は見ている。30歳以上も離れた2人が知り合ったきっかけは、マッチングアプリだったという。

「千明容疑者は警察の取り調べに『谷沢さんとは、今年の6月にマッチングアプリで知り合い、店に通うようになった』と話しています。実は10月に入って、谷沢さんから警視庁に『マッチングアプリで知り合った男からお金を盗まれた』と相談があったのですが、その男のハンドルネームと、千明容疑者が店で名乗っていたあだ名が一致していることから、警視庁は2人の間に金銭トラブルがあった可能性についても慎重に調べています」(前出・社会部記者)

「結婚はもうしない」と言い残し…

千明容疑者は群馬県渋川市で、農家のひとり息子として生まれ育った。近隣に住む女性はニュースを聞いて耳を疑ったという。

「博行くんは静かでおとなしい子でした。大事に育てられたのか、農家の子なのに畑仕事を手伝っている姿を見たことがありません。悪いウワサも聞いたことがない。どうにも博行くんと事件が結びつかないんです」

近隣に住む別の女性が続ける。

「ただ、ご両親が体調を崩してからは生きていくために農家の仕事を手伝っていたんじゃないかな。畑で採れたサツマイモを博行くんが近くの『道の駅』で焼き芋にして売っていましたよ」

そんな千明容疑者の息抜きがガールズバーだったようだ。

「千明容疑者はお酒を飲めないのですが、都内のガールズバーに出入りしていたようです。最寄り駅に車を止め、電車で都内まで出てきていました。どの程度の付き合いなのかわかりませんが、複数の女性と連絡を取っていたということです」(前出・社会部記者)

千明容疑者の母親にガールズバーで交際相手を探していたのか」と問うと、「それは考えられない」と答えた。

「あの子は20代の頃に一度、結婚して、子供もいたんですが、結局、別れてしまった。離婚でつらい思いをしたのか『もう結婚なんてしない』と言っていましたから」(千明容疑者の母親)

事件の前夜、「東京に行ってくる」と一言だけ言って家を出た千明容疑者。谷沢さんへの殺意はどこから生み出されたのか。