6回、降板する大阪桐蔭・森(1)=撮影・石井剣太郎

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 「秋季高校野球近畿大会・1回戦、滋賀学園3−2大阪桐蔭」(26日、ほっともっとフィールド神戸)

 1回戦2試合と準々決勝1試合が行われた。大阪桐蔭は滋賀学園に2−3で敗れ、2010年以来14年ぶりの初戦敗退。6年連続(2020年の中止を含む)のセンバツ出場が絶望的となった。天理は4−1で滋賀短大付に勝利して4強入りを決め、近畿一番乗りで来春センバツ出場を当確させた。

 あっけなく散った。大阪桐蔭ナインが取材ルームで静まり返る中、西谷浩一監督(55)は悔しさを押し殺すように敗者の言葉を並べた。「もちろん勝たないといけないんですけども、力がなかったというところです」。“西の横綱”の風格は影を潜めた。

 1点先制を許した直後の四回は3安打を放って逆転に成功するも、その後は追加点を奪えず。走者を出しながらも打線がつながりを欠いた。1点を追う七回2死一塁での盗塁死、九回無死一塁でバント失敗と小技も仕掛けたものの、流れを失う形となった。

 甲子園での登板経験もあるプロ注目の最速151キロ右腕・森陽樹投手(2年)は5回2/3を4安打3失点。六回先頭に振り逃げで出塁を許したところから乱れた。2死二塁から5番打者を申告敬遠するも、2者連続四球で同点の押し出し。さらに勝ち越しの左前適時打を浴びた。エースとして粘りきれず、「厳しいコースを見逃されてしまった」と肩を落とした。

 秋の近畿大会には2014年から11年連続出場。初戦敗退は10年以来14年ぶりとなった。大阪大会でも決勝で履正社に敗れ、5年連続出場してきたセンバツ出場は絶望的な状況。「負けましたんでね。もう夏に向けてやるしかない。夏一本に絞ってやりたいと思います」と指揮官。名門の威厳を取り戻すための長い冬が始まる。