[10.26 国際親善試合 日本女子 4-0 韓国女子]

 前半45分間の出場で持ち味を発揮することはできなかった。日本女子代表(なでしこジャパン)の先発メンバーはMF中嶋淑乃(サンフレッチェ広島レジーナ)以外の10人がパリ五輪メンバー。中嶋は「ちょっと緊張した」と本音をのぞかせながら「あまり満足いくプレーができなかった。ちょっと後悔している」と振り返った。

 なでしこジャパンでの7試合目はパリ五輪後初の公式戦となった。海外組が揃うチームで国内組は中嶋とDF守屋都弥(INAC神戸レオネッサ)のみ。自身3度目の先発出場で4-4-2の左サイドハーフとしてプレーし、果敢に敵陣に入り込んだ。

「もっと判断を早くして、周りを使うときと自分でもっと強気に勝負するところがあってもよかった」(中嶋)。前半31分には左サイドの大外でボールを収めたDF北川ひかるからパスを受け、PA左に入り込んだ。ダイレクトシュートの選択肢もあったがパスを選択。そして、相手の守備網に引っかかってボールを失った。

 チームは前半のうちに3得点を奪い、3-0で後半に折り返した。ハーフタイムで3人替えを行い、中嶋はピッチを去る。「自分でもっと勝負して、もっとゴールに向かうプレーができればよかった」。持ち味のドリブル突破は鳴りを潜めた。本人にも自覚があるからこそ「全然満足いくプレーができなくて、もっと積極的に仕掛けたりできた」と悔しさを露わにした。

 積極性は中嶋の売りのひとつでもある。WEリーグでも第6節終了時点でシュート本数(リーグ2位)、クロス本数(リーグ同率4位)、1対1ドリブル成功率(リーグ5位)で好成績を記録。本来の力を発揮するためにも、落とした視線を前に向ける。「まずは自チームに帰ってもっともっと活躍して見てもらえるようなプレーができるようになっていきたい」。再び日の丸を着るためにさらなる成長を誓った。

(取材・文 石川祐介)