阿部慎之助監督「ちょっとこの子は格が違うなと」ドラ１石塚期待「早く１軍の戦力になってほしい」

◆２０２４年　プロ野球ドラフト会議　ｓｕｐｐｏｒｔｅｄ　ｂｙ　リポビタンＤ（２４日）

　巨人は２４日、「プロ野球ドラフト会議　ｓｕｐｐｏｒｔｅｄ　ｂｙ　リポビタンＤ」で埼玉・花咲徳栄の石塚裕惺内野手（１８）を１位指名した。当初、関大・金丸夢斗投手（２１）を指名したが、４球団競合の末に交渉権は獲得できず。外れ１位で高校通算２６発を誇る大型遊撃手を指名し、ここでも西武との競合の末に阿部慎之助監督（４５）が当たりくじを引き当てた。“坂本２世”の期待がかかる将来のスター候補は「３割３０本塁打」を将来の目標に掲げた。

　高校ＮＯ１野手の大型遊撃手を引き当てた。阿部監督は外れ１位で指名した花咲徳栄・石塚が西武と２球団競合になり、２度目の抽選に臨んだ。西口監督の後に右手でくじ引き。「また外れかなと思ったんだけどね。（残りくじで）自ら引きにいけていないので」。交渉権確定の文字を確認して静かに右手を上げた。「本当に獲れて良かった」。走攻守３拍子そろった逸材との縁を喜んだ。

　１位指名した関大の１５４キロ左腕・金丸は４球団が競合した。リーグ優勝してくじ引きの順番が最後。中日の井上監督、ＤｅＮＡの三浦監督、阪神の藤川監督に次いで右手で引いたが、願いは届かず中日が交渉権を獲得した。「金丸くんを勝負しにいって。あとは野手強化も必要だと思うので話し合いはしていた。作戦通りです」。外れ１位は即戦力投手ではなく、高校生野手の石塚に切り替えた。

　今夏の甲子園に出場。Ｕ１８アジア選手権では高校日本代表の「４番・遊撃」を務めた。大学日本代表との壮行試合では、ＤｅＮＡ２位指名の法大・篠木の速球を木製バットで捉えて強烈な右中間二塁打を放った。阿部監督は「映像をたくさん見させてもらった。野球をしている姿勢も素晴らしかったし、負けん気の強さもテレビからでも見えていた。夏の予選もたまたま見ていた。ちょっとこの子は格が違うなと思って。それぐらいの評価はしていた」と好印象を明かした。

　巨人の高校生内野手の１位は１４年の岡本和真以来。プレースタイルは坂本勇人をほうふつとさせる。「打つ方も素晴らしいものがあるし、守備も抜群。早く１軍の戦力になってほしい」と期待値は高い。「高校生だから２、３年は（体づくり）とか、そんなの言ってないでいいのでね。バンバン出てきてほしい。今の高校生っていろんなことに恵まれていて体も出来上がっている子も多い。浅野しかり２年目から１軍で使うチャンスも与えてきたので。石塚くんも良ければ１軍でチャレンジさせたい」とすぐにでも頭角を現すことを期待した。

　日本ハム・新庄監督との２球団競合で西舘を引き当てた昨年と同じオレンジのネクタイを着用した。「一応ゲンを担いで同じので来たんだけど。来年この場に来ることがあれば変えてくるよ」と笑ったが、金丸は外しても石塚を引き当てたのは大収穫。巨人の未来を担う大器と運命の糸で結ばれた。（片岡　優帆）

記録メモ

　▼埼玉の高校生１位は４２年ぶり　巨人の１位指名は石塚（花咲徳栄・内）。巨人が高校生の内野手を１位で指名するのは、１４年岡本和真（智弁学園）以来、１０年ぶり。また、埼玉県の高校生を１位は、８２年斎藤雅樹（市川口・投）以来、４２年ぶり２人目。野手では初めて。

　▼４球団以上競合の１位抽選は１２連敗　巨人は４球団が競合した金丸（関大）の抽選に外れ。これで４球団以上が重複した１位の抽選は、１２連敗になった（的中２、外れ１４度）。