静岡県内の選挙区の動きを追う特集。磐田、袋井、掛川などを選挙区とする静岡3区は、裏金問題が尾を引く注目の選挙区です。

【写真を見る】“政治とカネ”裏金問題で有権者の審判は…5人の激戦・静岡3区【衆院選2024】

候補者は届け出順に

▼自民党の新人・山本裕三氏

▼無所属の新人・杉村義夫氏

▼日本維新の会の新人・釜下由佳子氏

▼無所属の元職・宮沢博行氏

▼立憲民主党の前職・小山展弘氏

の5人です。

自民党の新人候補が信頼回復に向け奔走するなか、他の候補者が与党批判を繰り広げ、有権者に支持を呼びかける構図となっています。

<立憲民主党・前職 小山展弘候補>

「この選挙戦、絶対に負けるわけにはいかない」

立憲民主党の前職、小山展弘候補48歳です。小山候補は衆院選でこれまでに3回当選。今回が6度目の戦いで、初の連続当選を目指します。推薦を受ける「JA掛川市」での演説では農業分野などでの実績を訴えました。

<支援者>

「頑張ってください」

<立憲民主党・前職 小山展弘候補>

「私も先月、子どもが生まれたばかりで」

<支援者>

「おめでとうございます」

9月、第一子となる男の子が誕生した小山候補。父として挑む初めての選挙で、1人1人が豊かさを感じられるよう賃金アップや子育てなどを応援する政策を訴えます。裏金問題についても「党としてけじめがついていない」と指摘します。

<立憲民主党・前職 小山展弘候補>

「(裏金の問題は)誇りと矜恃、使命感が失われている表れだと思う。品格のない政治になっていると思う。与野党伯仲の政治がつくれるように頑張っていきたい」

<自民党・新人 山本裕三候補>

「自民党に端を発したこの政治不信。この責任を我々がしっかりと取って新たな政治をしていく」

信頼回復と政治改革に向けた覚悟を語る自民党の新人、山本裕三候補41歳です。裏金問題による逆風が吹くなか、11年務めた掛川市議会議員を辞職し、初めての国政選挙に挑んでいます。

<自民党・新人 山本裕三候補>

「新人チャレンジャーの山本でございます。まだまだ無名の山本裕三でございます」

自民党静岡3区の支部長に就任してから約1か月半での選挙。自民党の手厚い支援に加え、公明党からの推薦も受けていますが、掛川市以外での知名度が不足していると本人も自覚しています。遊説に力を入れ、積極的に車を降りては有権者と対話。「チャレンジャー」として支持を呼び掛けています。

<自民党・新人 山本裕三候補>

「私の政治信条は、住民、国民の生命、財産を守る、そして子どもたちに未来をつくる。これが私の政治ポリシーです」

<無所属・元職 宮沢博行候補>

「皆さんの期待を無にしてしまったこと。改めてお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」

元防衛副大臣の宮沢博行候補49歳です。2023年12月、所属していた自民党の裏金問題について、派閥から支持があったことを公言しましたが、その後に女性問題が報じられ、半年前に党を離党し、議員辞職しました。「応援の声がある限り、地元に貢献したい」と無所属での出馬を決めました。

選挙戦では自民党について「慣例や官僚に縛られている」と批判。働く人の手取りを増やし、税制改革などから暮らしを豊かにしたいと訴えます。

<無所属・元職 宮沢博行候補>

「逆に自民党じゃなくなったものですから、自分の思い描いている(遊説の)コースを行ける。時間がなくて行けなかった人の所にも遊説中に行く。そのようなポリシーでやっている」

<日本維新の会・新人 釜下由佳子候補>

「裏金を作ってどうやって自分のポケットに入れていこうか、そんなことばかり考えている、そんな国会議員に必ずノーを言わなければならない」

裏金問題を断じる日本維新の会の新人、釜下由佳子候補43歳です。政治経験が豊富な他の候補に対し、初めての選挙戦です。女性の立場から出産や教育にかかる費用の無償化や社会保障制度の見直しなどを訴えます。

<有権者>

「1日預かりの託児所は、どこも断られる」

<日本維新の会・新人 釜下由佳子候補>

「やっぱりそのあたりはどこでもスムーズにできれば、育児がやりやすくなる」

2歳の娘を育てる釜下さん。SNSでの発信にも力を入れます。野党として自民党への批判票を多く取り込みたい考えです。

<日本維新の会・新人 釜下由佳子候補>

「皆さまの生活に直結した政策をどれだけ伝えられるかだと思う。それが政治とカネの問題にもつながる」

<無所属・新人 杉村義夫候補>

「この大井川の水を守る、そういう訴えをこの選挙運動で行なっていきたいと思います」

政治団体「大井川の水を守る会」代表、杉村義夫候補65歳です。杉村候補は生活や産業を支える大井川の水を守りたいと出馬を決意しました。リニア中央新幹線の工事の中止や、浜岡原発の再稼働反対などを訴えています。

<無所属・新人 杉村義夫候補>

「農業をやっているお父さん、お母さんからは(大井川の)水がないと農業が困る。(大井川の)水が枯れたらどこから持ってくればいいのかという話が聞かれる。「なんとしても国と県に訴えてほしい」と「切実な思いがある」と言われる」