11回、TKO勝ちした寺地拳四朗(カメラ・小林 泰斗)

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◆プロボクシング ▽WBC世界フライ級(50・8キロ以下)王座決定戦12回戦 ○同級1位・寺地拳四朗(11回TKO)同級2位クリストファー・ロサレス●(13日、東京・有明アリーナ)

 前WBAスーパー&WBC世界ライトフライ級(48・9キロ以下)統一王者で、WBC世界フライ級1位・寺地拳四朗(BMB)が、元WBC世界同級王者で同級2位のクリストファー・ロサレス(ニカラグア)に11回TKOで勝ち、日本ジム所属選手では史上18人目となる2階級制覇を達成した。

 リング上のインタビューでは「今回実はめっちゃ緊張しまして、なんか。いつもよりなんか緊張した感じがあって、入場から結構あんまり記憶がないというか…」と照れ笑い。相手が負傷という思わぬ結末に「ほんとは倒せたら良かったんですけど」と苦笑いしながらも「これから徐々にスタイル変えていってまた新しいケンシロウを、第2章のケンシロウということで見せていきたいと思う」と約束した。

 左右に足を使って動いて、的確にパンチを浴びせてポイントを重ねた。4回終了時の採点は3人のジャッジ全員(1人が39−37、2人が40ー36)が拳四朗を支持。11回のゴングが鳴った後に、ロサレスの負傷による棄権で試合終了となった。鼻骨骨折とアナウンスされた。

 変化の多い1年だった。1月にライトフライ級の統一王座を防衛。2日後には痛めた右拳の手術を受けた。同級での4団体統一王座をめざしていたが、転級を選択した。規定体重が1・9キロ増えたことで、計量前日に白米を食べられるほどの余裕ぶり。「(計量の前夜にご飯を食べるのは)初めて。奇跡です。もう終わったのかなと思うくらい順調です」と、笑顔がたえなかった。

 これで世界戦は15勝目。日本人世界王者では、元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高を抜き、井上尚弥(大橋)、井岡一翔(志成)に次ぐ単独3位となった。「ライトフライ級の時は防衛するぞ、という感じでしたが、今回はしっかり勝つぞ、という気持ち」と気合を込めていた通り、手堅い試合運びで2階級目の世界ベルトを手にした。

 見据えるのは統一戦。14日の同興行でWBO世界タイトルマッチがあることに言及し「やっぱりみなさん見たいのは統一戦。明日にも試合があると思うけど。期待して待っていてください」と呼びかけた。

  戦績は32歳の寺地が24勝(14KO)1敗、29歳のロサレスが37勝(22KO)7敗。