落馬事故により下半身がまひしたため、10万ドル(約1500万円)もする外骨格を取り付けて日々の生活を送っていた元騎手のマイケル・ストレート氏が、たった20ドル(約2900円)の部品を直すことができず外骨格の使用継続を一度は断念したことを明らかにしました。

Paralyzed Jockey Michael Straight Wants To Keep Walking, But Manufacturer Won't Repair Exoskeleton - Paulick Report | Shining Light on the Horse Industry

https://paulickreport.com/news/people/paralyzed-jockey-michael-straight-wants-to-keep-walking-but-manufacturer-wont-repair-exoskeleton



Paralyzed Jockey Loses Ability to Walk After Manufacturer Refuses to Fix Battery For His $100,000 Exoskeleton

https://www.404media.co/paralyzed-jockey-loses-ability-to-walk-after-manufacturer-refuses-to-fix-battery-for-his-100-000-exoskeleton/

An out-of-warranty battery almost left this paralyzed man’s exoskeleton useless - The Verge

https://www.theverge.com/2024/9/26/24255074/former-jockey-michael-straight-exoskeleton-repair-battery

2009年に落馬事故を起こし、腰から下がまひして歩けなくなってしまったストレート氏は、Lifewardというドイツの企業が開発した外骨格「ReWalk Personal」を購入し、再び歩行能力を取り戻していました。

しかし、2024年9月頃、外骨格を操作するために装着していた腕時計の配線に不具合がおきたため外骨格が故障。ストレート氏はメーカーに修理を依頼しましたが、メーカーは「電池が原因だが、もう古すぎて修理できない」として修理を拒否しました。

外骨格の助けで37万1091歩も歩いていたというストレート氏は「大したことではないと思って修理を依頼したのに、5年以上前の機械は修理できないと言われてしまいました。マシンとトレーニングに10万ドル近く支払ったのに、たった20ドルの腕時計の電池が原因で歩けなくなるなんて、とても信じられません」と嘆き、修理拒否という対応について「金もうけをしようとする悪い会社の哀れな言い訳です」と非難しました。

なお、ストレート氏の訴えが競馬業界に関するウェブサイトと地元テレビ局に取り上げられた結果、Lifewardはすぐに修理を受けてくれたそうです。

テクノロジー系メディアのThe Vergeに対し、Lifewardの広報担当であるキャスリーン・オドネル氏は「ストレート氏と連絡を取り、彼​​のデバイスの問題を解決できたことを報告できてうれしく思います。ストレート氏のデバイスは10年以上前のものであり、現在は他のオプションが利用でき、適格者の払い戻しも受け付けているため、私たちは彼に交換を勧めています」と述べたとのことです。

個人が修理する権利を獲得するために尽力する市民権利団体・US PIRGのネイサン・プロクター氏は「メーカーの製品に対する考え方は、顧客に引き渡した時点で責任は完全に終了するというものです。これはあらゆる製品に見られることですが、外骨格のようなデバイスには不適切です。この手の製品は人々が修理ができるようにする必要があります。バッテリー次第で使えなくなる10万ドルの製品など言語道断で、このようなことが起こる社会を容認する必要はありません」と指摘しました。