(c) 2024 Marvel

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マーベル・ドラマ第5話『大地の力 目覚めさせよ』は、『エクソシスト』を彷彿とさせる本格的なホラー演出を含む、異色のホラー回となった。ホラーオマージュが強調された心臓バクバクの第5話を振り返ってみよう。

この記事には、「アガサ・オール・アロング」第5話『大地の力 目覚めさせよ』のネタバレが含まれています。

この記事には、「アガサ・オール・アロング」第5話『大地の力 目覚めさせよ』のネタバレが含まれています。

マーベル・ドラマ「アガサ・オール・アロング」第5話『大地の力 目覚めさせよ』では、アガサ(キャスリン・ハーン)率いる5人の魔女団が、セーラムの7人から追われるシーンから始まる。少年(ジョー・ロック)がホウキに乗って逃げることを提案し、文句を言いつつ空を飛び立っていく一行。しかし途中で“道”に引っ張られ、次の試練へといざなわれる。

地面に着陸した5人が小屋の中へ入ると、全員の見た目が80年代風にチェンジ。古びた小屋という環境とあいまって、『13日の金曜日』シリーズや『サマーキャンプ・インフェルノ』シリーズのような“サマーキャンプ・スラッシャー映画”のバイブスが漂う。

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待ち受けていたのは、アガサへの試練だった。“血の月”の下、死者と交信しなければならないという。そこで突然、積み上げられたゲームの中から「ウィジャボード」だけが飛び出す。“欧米版こっくりさん”ともいわれる、降霊術の占いボードゲームだ。説明書にある6つのルールを守りながら、30分の制限時間内にクリアしなくてはならない。

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しかしゲームの途中で、霊が「アガサを罰する」ことを求め、アガサはルールその6「絶対に指示器から手を離さない」を破ってしまう。その後、ジェニファー(サシェア・ザマタ)がアガサに罰を下そうとするも、いつの間にかアガサはいなくなり、電気が消える。静まり返った暗闇で、少年が懐中電灯を天井にかざすと、一行は恐ろしいものを目にすることになる。青白い肌で、目の周りが黒ずみ、不気味な形相をしたアガサが天井に張り付いているのだ。(本エピソードに限って夜中に視聴していた筆者は、その姿を見て思わず凍り付いてしまった……。)

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その後、床に降り立ったアガサは関節を不自然に曲げ、身を捩じらせてカクカクと動き回る。さらには映画『エクソシスト』でお馴染み、ブリッジ状態で動く「スパイダーウォーク」まで披露。ホラーが得意でない視聴者にとっては、心臓バクバクものである。しかし、ほかのキャラクターたちのリアクションがコミカルなだけに、若干のシュールさもある。

少年が電気をつけると、再びアガサは消えていた。すると天井から階段が下り、幽霊が現れる。アガサの母親、エヴァノラ・ハークネスだ。彼女こそがアガサに憑依し、強烈な『エクソシスト』オマージュを捧げていたようだ。

その後、エヴァノラが再びアガサに乗り移り、アリスが“棒の騎士”によって助けようとする。しかしアガサは、アリスの能力を吸収し始めるのだった。折しもウィジャの指示器は、アガサの息子の名前「ニコラス・スクラッチ」を示していた。ティーンがその名を叫ぶと、アガサはようやく元に戻る。

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アガサのせいでアリスが死んでしまい、少年はアガサを責め立てる。そんな彼に向かって、アガサは「あなたは母親にそっくり」と意味深に発言。その後、少年は魔法を使って、アガサ、ジェニファー、リリア(パティ・ルポーン)を沼に沈ませる。この一連の流れから、ティーンの正体がワンダの息子・ビリーであることが示唆されるのだった。

配信開始前から、(MCU)のホラー作品として期待されていた「アガサ・オール・アロング」。過去のホラー作品としては『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022)や「ウェアウルフ・バイ・ナイト」(2022)があったが、これらと比べ、「アガサ」第5話ではより直接的なホラー演出が見受けられた。本エピソードを見て、マーベル・スタジオのプロデューサーの「『アガサ』は本当に楽しいけど、本当に怖い」というの意味が理解できたように思う。

「アガサ・オール・アロング」はで独占配信中。