10日の北中米W杯アジア最終予選でサウジアラビア代表と対戦する日本代表が9日、試合会場のキング・アブドゥラー・スポーツシティ・スタジアムで公式会見を行った。森保一監督とMF遠藤航(リバプール)が出席した。

以下、森保一監督、遠藤航の会見要旨

●森保一監督

「明日の試合は力のあるサウジアラビアとの対戦、そして我々にとってはアウェーの戦いの中で、完全アウェーとなる厳しい戦いを覚悟して、個々のコンディションとしても、チームのコンディションとしても最善の準備を今日の練習を含めてしていきたい。粘り強く戦うことと、我々も厳しい戦いの中で勝利を目指してアグレッシブにチャレンジしたい」

●MF遠藤航

「アウェーということで非常にタフな厳しい戦いになると予想している。最終予選の中でも注目される一戦になると思うが、前回同様に自分たちができる最大限の準備をして来ているつもりなので、日本代表として明日しっかりアウェーの中でも勝利を目指しつつ、クレバーに戦っていければと思う」

―(遠藤への質問/現地記者)アジアカップ敗退から同じ監督、同じチームで今日までに何が変わったと思うか。

遠藤「特に何か大きく変えていることはなく、アジア杯で負けた後からも結果は出続けていて、それは森保監督が始まって以来、ずっと監督のスタイルを一貫して継続してやってきたから。結果が出る時もあれば出ない時もあるが、過程で大事にしているものがあるし、過程はブレることなく、自分たちのやり方でずっと続けてこられている。なので特段アジア杯から変えたことはなく、相手の対策であったり、自分たちが最大限の力を出すために何をしたらいいかを考えながら毎試合挑んでいるつもり」

―(森保監督への質問)試合前のプラン、ハーフタイムのプランがうまくいかず、それでもプレーが止まらない状態が起きたとして、今回のように相手が強いこと、暑さがあること、声が通らない中で、ベンチからどういう働きかけをしようと考えているか。

森保監督「明日の試合はおそらく大観衆の中、我々監督・コーチの声はピッチ上になかなか通らないという想像ができる。我々はその中で何ができるかというところは、集合して試合までの時間の中で、いろんな状況を想定し、ミーティングやトレーニングで試合状況に応じたプランを持ってもらえるように準備をしている。ただし、全てのプランを選手に伝えられるわけではないので、いま隣にいるキャプテン(遠藤)であったり、選手たちがいろんな経験をしている中、状況に応じてプレーしてくれると思う。そこは選手たちの状況判断に委ねたいと思う。基本のところは我々が伝えるし、試合の状況によるオプション、状況による判断は選手たちがしっかりとやってくれると思うので、選手たちを信頼して見守りたい」

―(遠藤への質問)同じような状況下でピッチの中でどうしたいか。

「準備の段階ではもちろん今日の練習も含めて準備ができると思う。またずっと森保さんのもとでやっている中、準備の面でも相手がこう来たらということとか、相手もいろんなやり方をしながらオプションを持っているチームがこれからは増えるので、当たり前に対策の量が増えている。そういった準備の質でもかなり良い準備ができていると思っている。その中で、まずはうまくいかない想定をしておくことが大事だと思うし、僕も含めてチーム全体でアウェーの難しさはわかっているのでそこは想定している。その中でも、中で決めざるを得ない、ピッチ内で判断せざるを得ない状況は局面局面やチーム状況によって出てくるが、準備して来た何個かのパターンの中で変えるのか、そこで監督と話すのか、周りの選手と話すのかを試合状況で判断していくのがいいと思う。そこはハーフタイムを含めて自分から声をかけながら臨機応変に準備していけたらと思う」

―(森保監督への質問/現地記者)マンチーニ監督は試合に勝てていなくて、サウジアラビアのファンとしてはまだまだ強いチームではないと思う。監督にとっていいチャンスだと思うが、マンチーニ監督を相手として弱いと思っているか

「非常に素晴らしい監督なので、間違いなくサウジアラビアのサッカーのレベルアップ、そしてアジアのサッカーのレベルアップに貢献してくれる方だと思っている。実際に結果というところは勝負事なので、出たり出なかったりはあるが、マンチーニ監督はヨーロッパも制している監督で、非常に力のある監督なので、みなさん全力でサポートしていただければと思う。明日の試合は世界的にも結果を出している監督だということで、我々も対戦できることに対して喜びを持って、そしていい試合ができるようにベストを尽くしたいと思う」

―(森保監督への質問)アウェーの試合でどのようなところがポイントになるか。また3年前からの戦術的な積み上げをどう捉えているか。

「まずはチームとして戦術的な部分で言えば、前回サウジアラビアと戦った我々からの成長として、システム等々いろんな形で戦うことができる積み上げはできてきていると思う。選手たちが世界の舞台で、世界の競争力の中でレベルアップしてきているからこその戦術的な積み上げ、戦い方ができていると思う。そこは飛躍的なということではなく、我々は一戦一戦最善の準備をする、ベストを尽くして戦うことをやってきて今がある。明日の試合に関しても、いろんな評価はメディアの皆さん、ファン・サポーターの皆さんの見方をしていただければと思うが、我々は目の前の一戦に全力で戦い抜くことをやっていきながら成長を見ていただければと思う」

―(森保監督への質問/現地記者)サウジアラビアにようこそ。ジッダのスタジアムで日本は勝ったことがないが、どう思うか。6万人以上の観客が訪れるが、このサポーターについてどう思っているか。

「まずは温かく迎え入れる言葉をかけていただきありがとうございます。いつもサウジアラビアと試合をするときはいつもいらっしゃってくださっているので、お互いアジアを引っ張っていく関係、ライバル関係でありながらもアジアのサッカーの発展に向けて戦っていく中で、友好的な言葉をいただけるのがありがたい。過去の結果は我々にとって良いものではないが、明日の試合に向けての結果は0-0から始まる。厳しい戦いを覚悟して、勝利を目指して戦うことを準備して全力で明日の試合に臨みたい」

―(遠藤への質問/現地記者)サウジアラビアの選手をどう感じているか。

「すごく個の能力が高い選手が揃っているし、前回(21年の対戦で)点を取った選手も途中出場の選手だった。中盤の選手、後ろの選手含めていい選手が揃っている印象がある。今回は何人か出られない選手もいるが、だからと言って油断することはない。戦力的にすごく揃っているチームだという印象があるので、厳しい戦いは覚悟している」

(取材・文 竹内達也)