NY株式9日(NY時間16:24)(日本時間05:24)
ダウ平均   42512.00(+431.63 +1.03%)
S&P500    5792.04(+40.91 +0.71%)
ナスダック   18291.62(+108.70 +0.60%)
CME日経平均先物 39770(大証終比:+480 +1.21%)

 きょうのNY株式市場でダウ平均は大幅続伸。米株式市場は先週の米雇用統計を受けた調整から次第に様子見気分が強まり、次の展開を待っている。そのような中で本日のダウ平均は下げて始まったものの、下げが一巡すると買いが強まった。

 ただ、米雇用統計後の情勢に変化はなく、11月FOMCでの大幅利下げ期待は完全に消滅。0.25%ポイントの通常利下げが有力視されているが、据え置きの可能性も脳裏の片隅に浮上している状況。短期金融市場では0.25%の利下げ確率が87%、据え置きが13%となっている。

 中東情勢についても依然緊迫化しており、イスラエルがイランにいつ報復措置を実施するのか、どの程度の報復なのかを気にしながら、市場は地政学リスクのストレスを感じている状況。

 午後に9月FOMC分の議事録が公表された。その中で数名が0.25%ポイントの利下げを支持したものの、最終的に多数派に同調して大幅利下げに賛成票を投じた可能性が示唆された。最後まで反対したのはボーマンFRB理事のみ。ただ、ある程度想定範囲内であったこともあり、公表後の米株式市場の反応は限定的となっていた。

 市場は明日の米消費者物価指数(CPI)に注目している。ただ、予想を大幅に下回る数値でもない限り、影響は限定的との見方も出ているようだ。材料としては週末の大手銀を皮切りに始まる決算が注目される。

 本日は個別にアルファベット<GOOG>傘下のグーグルとボーイング<BA>に注目が集まった。両銘柄とも下落している。米司法省が、グーグルに事業の売却を強制するよう連邦判事に要請することを検討していると発表。米司法省は20年前にもマイクロソフト<MSFT>の分割を試みたが、それが失敗に終わって以来の巨大ITを相手取った重要な動きとなる。

 一部からは、大手ITへの締め付けへの懸念は以前からあったが、実際に分割を迫る動きは市場の心理を圧迫するとの意見も出ている。ただ、グーグル内の個々の事業部門の価値を見ると、投資家にとっては良い結果になる可能性もあるとも述べている。

 ボーイング<BA>については、ほぼ1カ月間に渡る労働者のストライキを終わらせるための交渉が決裂。

 半導体関連のアステラ・ラブス<ALAB>が大幅高。AIの作業負荷専用に設計されたファブリックスイッチの新製品を発表した。

 マーケティングのソフトウエア開発のゼータ・グローバル<ZETA>が上昇。広告テクノロジーのライブインテント社を買収することで合意したと発表した。これを受けて目標株価を従来の30ドルから35ドルに引き上げたアナリストもいる。

 バイオ医薬品のケザー・ライフ・サイエンス<KZR>が大幅高。投資会社のタン・キャピタルが関連会社を通じて、1株1.10ドルでの買収を提案した。

 IBM<IBM>が上昇。米大手銀のアナリストが目標株価を従来の209ドルから250ドルに引き上げた。ソフトウェアの成長(レッド・ハット部門とトランザクション処理)に対する信頼が高まっているという。

 本日はクルーズ株の上昇が目立った。米大手銀のアナリストがノルウェージャン・クルーズ<NCLH>の投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価も従来の20ドルから30ドルに引き上げた。また、ロイヤル・カリビアン<RCL>も「ポジティブ・カタリスト・ウォッチ」に指定している。