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 ◇セ・リーグ 巨人8−1広島(2024年9月28日 マツダ)

 巨人が混戦のセ・リーグを制し、2020年以来4年ぶり39度目(1リーグ時代を含めると48度目)のリーグ優勝。阿部慎之助監督(45)が就任1年目で見事な手腕を発揮した。門脇誠内野手(23)は初めての優勝に歓喜した。

 この日は「7番・遊撃」で先発出場。0ー0で迎えた4回2死一、三塁で、相手先発・森下から先制の右前適時打を放った。

 優勝の瞬間は「うれしすぎて、なかなか経験したことなかったので、優勝ってこんなにうれしいんだと改めて思いました」と笑顔。

 「いいときばかりじゃなかったので、いろんな苦労をして。そんな中でもチームが勝って、後半に入って試合に出るようになって貢献できた試合もあれば、できなかった試合もあるので、全部含めて優勝できて報われたのかなと思います」

 初めての優勝争いが門脇の向上心に火をつけた。マジックが点灯してから迎えた敵地での広島、阪神との4連戦。独特な雰囲気に「やっぱり怖さも感じたし、こういうとこでプレーしなきゃいけないな」と肌で感じた。2位・阪神との直接対決で0―1で敗れて1ゲーム差に迫られた22日の甲子園。2打席凡退で6回に代打・大城卓を送られ退いた。「このままじゃダメ。改めて自分がどういう選手になりたいか考えてたら(午前)3時ぐらいになっていた」。悔しくて眠れなかった。

 126試合に出場し、打率・263、出塁率・335などブレーク。阿部監督が就任直後、レギュラーとして坂本、岡本和に次いで門脇の名前を挙げた。だが、開幕直後から振るわず、開幕2番から3番、1番などの上位打線から4月末に8番に下がり、5月18日にはスタメンを外れた。それでも7月は月間打率・269、8月は・295と盛り返し、意地を見せた。

 野球の道を突き詰める。そう思えたのは一人暮らしがきっかけだった。ストイックで知られるが、昨オフに退寮する際は自宅選びに「野球を考えなくてすむ環境」を重視した。だが、「トレーニングしたいときにすぐできる環境がどれだけ恵まれていたか感じたし、やっぱ僕はそれが必要だった」。今は自分で人工芝マットや器具を用意しトレーニング部屋を設置。「常に野球を考える。自分にはそれが合っている」と思いを強めた。