胴上げされる阿部慎之助監督(カメラ・渡辺 了文)

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◆JERA セ・リーグ 広島1―8巨人(28日・マツダスタジアム)

 巨人が広島に勝ち、4年ぶり48度目(1リーグ時代を含む)のリーグ制覇を達成した。阿部慎之助監督(45)は就任1年目での優勝となった。涙をみせながらベンチから出てきた阿部監督は、選手たちの手で現役時代の背番号「10」と同じ10回、空を舞った。試合後の優勝監督インタビューでは「最高で〜す!」と絶叫した。

 前夜は本拠地・東京ドームで中日に3―1で競り勝ち、優勝マジックを「2」まで減らした。試合終了から約50分後、マツダスタジアムで2位・阪神が広島にサヨナラ負け。マジックを「1」とし、広島戦に臨んでいた。10月16日からは本拠地で、クライマックスシリーズ最終ステージに臨む(巨人に1勝のアドバンテージ)。

 試合は3番・吉川尚輝内野手が4安打、4番・岡本和真内野手が2打席連続の適時二塁打で3打点を挙げるなど16安打で8得点。先発の菅野智之投手は小林誠司捕手との「スガコバ」バッテリーで8回まで投げ6安打1失点、119球の熱投。リーグ単独トップの15勝目を挙げ最多勝も近づいた。

 巨人は1回2死から吉川が左前打で出塁。岡本和の二ゴロは二塁送球でセーフとなり(記録は内野安打)、2死一、二塁と先制のチャンスを作ったが、吉川が広島の先発・森下暢仁投手のけん制球で刺され攻撃を終えた。

 菅野は1回、先頭の秋山翔吾外野手を遊ゴロ失策で出したが、矢野雅哉内野手の送りバントは捕飛、小園海斗内野手を二ゴロ併殺打に仕留め3人で抑えた。

 2回は先頭の坂倉将吾捕手に右中間二塁打されたが、後続3人をいずれも外野フライに打ち取り無失点。

 巨人が4回に先取点。吉川が2打席連続ヒットとなる左前打で先頭で出塁。岡本和が捕邪飛の後、暴投で二塁に進み、2死二塁から浅野翔吾外野手が右前打でつなぎ2死一、三塁とチャンスを広げ、門脇誠内野手が右前適時打を放ち、1点を先制した。

 菅野は直後の4回に同点に追いつかれた。先頭の矢野に詰まった当たりながら左前に落ちる安打を許し、小園の二ゴロで走者が入れ替わると、小園が二塁盗塁を決め、坂倉の右前打で1死一、三塁。田村俊介外野手は投ゴロに打ち取ったが、菊池涼介内野手に左前タイムリーを打たれ同点。なおも2死一、三塁とピンチが続いたが末包昇大雅外野手はフォークボールで空振り三振に打ち取り踏ん張った。

 巨人が6回に2点を勝ち越した。吉川が3打席連続ヒットとなる左前打で先頭で出塁。岡本和は追い込まれながら、森下のカットボールを左中間に運ぶ二塁打を放ち、一塁から吉川が生還。続く坂本勇人内野手の一ゴロで岡本和が三塁へ進み1死三塁。ここで、森下が治療のためとのアナウンスでベンチに下がってそのまま降板し、2番手で森浦大輔投手が登板。浅野は空振り三振、門脇が申告敬遠で2死一、三塁となり、小林誠司捕手が右前にタイムリーを放ち、貴重な3点目を挙げた。

 巨人が7回にも追加点。先頭の丸佳浩外野手が四球を選んで出塁し、オコエ瑠偉外野手がしっかり送りバントを決め1死二塁。吉川は4打席連続ヒットとなる右前打で続き1死一、三塁とすると、岡本和が2打席連続の適時二塁打となる左中間への2点二塁打を放ち、5点目。さらに2死二塁のチャンスで、途中の守備から出場の増田大輝内野手が左越え二塁打を放ち、二塁から岡本和が生還し6点目。リードを5点に広げた。

 9回は先頭のオコエが投手内野安打。1死から岡本和が3打席連続の左中間二塁打を放ち二、三塁とすると、坂本が中前タイムリーを放ち7点目。さらに増田大が2打席連続ヒットとなる適時打で8点目を挙げた。

 9回のマウンドには高梨雄平投手があがり、2人を打ち取ったところで、守護神・大勢投手が登板。代打・二俣翔一内野手に中前打を打たれたが、末包昇大雅外野手を二ゴロに打ち取り、試合を締めた。