ほら吹き天使で主演した花組新トップ永久輝せあ(左)と、新トップ娘役星空美咲(撮影・村上久美子)

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宝塚歌劇団の花組新トップ永久輝せあと、相手娘役星空美咲が28日、兵庫・宝塚大劇場で、本拠地お披露目となる「ファンタジー・ホラロマン『エンジェリックライ』」「レヴュー グロリア『Jubilee(ジュビリー)』」の初日を迎えた。

前花組トップ柚香光からバトンを受け、今年5月にトップに就いた永久輝。7月には愛知・御園座で、主演ミュージカル「ドン・ジュアン」を終え、花組全メンバーを率いて、本拠地の舞台に立った。

芝居は作・演出が谷貴矢氏。「天界一の大ほら吹き天使」にふんし、持ち前の繊細な演技力を発揮した。類いまれなる美貌に聡明(そうめい)な頭脳を持ちながらも、素行は悪い。天帝の怒りを買い、人間界へ修行に落とされてしまうストーリー。人間界で「トレジャーハンター」を名乗るエレナと出会い、秘宝「ソロモンの指輪」をめぐる争いに巻き込まれていく。

新トップ娘役星空は、エレナを熱演。専科から出演し、今作が退団公演となる凪七瑠海が謎めいた宝石商フェデリコを好演した。

人気スター聖乃あすかは、フェデリコの秘書で、実は悪魔という役柄。天使と悪魔が入り乱れる“だまし合い”合戦に、永久輝演じるアザゼルと、エレナは共闘していく。

その最中、永久輝が「(星空と)いいコンビだろ」「これから俺と一緒に」などと、新トップに就いた心中を表すようなセリフもあり、客席をわかせた。

ショーの作・演出は稲葉太地氏。「記念祭」「祝典」を表すタイトル通り、宝塚歌劇110周年と、新生花組を祝うかのような華やかな展開。新トップ永久輝が、退団する専科スター凪七と組み、凪七が永久輝をリフトする演出でも、ファンを魅了した。

宝塚大劇場公演は11月10日まで、東京宝塚劇場は12月7日〜来年1月19日まで。