残暑が厳しいので、毎日「冷房」を12時間ほどつけっぱなしです。「除湿」でも部屋が冷えるのですが、電気代は冷房とどちらがお得でしょうか…?
エアコンの「冷房」と「除湿」の違い
夏場や残暑が厳しい時期に利用するのが「冷房」「除湿」の2つです。
エアコンの冷房は、部屋の温度を下げることに特化した機能です。暑い部屋の空気を外に排出して部屋を涼しくします。一方、除湿は文字通り部屋の空気の湿度を下げることを目的にしており、部屋のなかの水分を外に追い出すことで湿度を下げます。
エアコンの除湿には部屋の温度を下げるタイプと下げないタイプの2種類がある
実はエアコンの除湿には、「弱冷房除湿」と「再熱除湿」という2つのタイプがあります。
弱冷房除湿ではエアコンが高湿度の空気を吸い込んだあとに熱交換器で熱を奪って温度を下げることで、空気中の水分が水滴となって熱交換器に付着します。その水分を外に排出しつつ、水分が減った空気を部屋に戻すことで湿度を下げる仕組みです。
冷えた空気を部屋にそのまま戻すため弱い冷房をかけた状態に似ており、室温が下がって涼しさを感じることができます。「暑くて湿度も高いが、冷房をかけると肌寒い」というときに有効です。
一方、再熱除湿の場合、温度を下げた空気が温め直されてから部屋に戻ります。メーカーによって消費電力に違いはあるものの、温め直す分だけ弱冷房除湿よりも多めの電力を消費するのが一般的です。
エアコンの機種によっては弱冷房除湿と再熱除湿を切り替えられます。「部屋を冷やしながら除湿したいのか、温度を下げずに除湿したいのか」によって目的に合う除湿を選択しましょう。
冷房と弱冷房除湿、再熱除湿ではどれがお得?
冷房と弱冷房除湿、再熱除湿の場合、どの電気代が安いのでしょうか?
ダイキンの「冷房と除湿の電気代の比較」によれば、弱冷房除湿の消費電力が最も少なく、次いで冷房、再熱除湿の順番に多くなります。
使用するエアコンなどの条件によってコストは大きく変わるため一概にはいえませんが、部屋を冷やす場合、冷房で一気に部屋の室温を下げ、その後は弱冷房除湿に切り替えることで節約しながら部屋を冷やすことが可能だと考えられます。
除湿で部屋の湿度が下がらないときの対処法
除湿機能で部屋の湿度や温度を下げようと思って作動させても、湿度も温度も思うように下がらなかった経験はありませんか?
湿度が下がらない場合、まずは設定温度を見直しましょう。弱冷房運転では部屋の湿った空気をエアコンが取り込み、設定温度まで冷やすことで水分が取り除かれます。室温と設定温度の差がない場合には十分に冷やせず、除湿機能が働きにくいです。
また、フィルターや室外機が汚れていることも原因になります。部屋の水分と一緒に取り込んだ部屋のゴミやホコリでエアコンのフィルターが汚れていると空気を吸い込みづらくなります。同じく室外機が汚れている場合は湿気を外に排出しにくくなり、冷房も除湿も効きにくくなります。
除湿の効果を高めるためにも定期的にフィルターの掃除を行ったり、室外機も含めてクリーニングを依頼したりしましょう。
まとめ
冷房では寒すぎる、電気代が心配という場合、弱冷房除湿という選択肢があります。弱冷房除湿では部屋の温度を下げながら湿度を下げるため、結果的に冷房では寒すぎる場合に快適な空間を作ることが可能です。
ただし、部屋を冷やして湿度を下げるという関係上、室温と設定温度が近かったり、フィルターや室外機が汚れていたりするとうまく室温が下がらないことがあります。冷房と除湿の機能の違いを把握し、賢く快適な室内温度を実現しましょう。
出典
ダイキン工業株式会社 冷房と除湿はどう違う?
ダイキン工業株式会社 冷房と除湿の電気代の比較(ルームエアコン)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー