長澤まさみ(C)日刊ゲンダイ

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 脚本家で演出家の三谷幸喜氏(63)の監督作品「スオミの話をしよう」が13日に公開された。長澤まさみ(37)で映画を撮ることがかねての夢だったという三谷監督は、「今、輝いている長澤さんの画を残したかった。代表作にしたいし、今までの集大成にもなった」と主演を務める長澤と、自らの監督作品を自画自賛してみせる。「睡眠時間を削ってでもプロモーションに協力したい」という三谷監督は現在、多方面にわたってメディアに出ずっぱりだ。

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 その一連のプロモーションで芸能記者たちがにわかにザワついたのが、8日にオンエアされた「日曜日の初耳学」(MBS/TBS系)。三谷監督はこれまでの作品を作った動機を語り、2015年10月公開の「ギャラクシー街道」について、実は綾瀬はるか(39)をヒロインにしたのは、長澤が推したことが理由の一つだったことを明かした。プライベートで三谷監督と食事に行く仲だという長澤から、「1回でいいから、綾瀬さんがハンバーガーを食べるところを見て。物凄くおいしそうに、かわいく食べるから。あんなふうに食べる人類は綾瀬さん以外いない」と言われたという。実は、三谷監督の作品作りは、その役者に場違いや不似合いなことをやらせて、それを映像に残したいというのがきっかけになっていることが多い。

長澤と綾瀬の不仲説は根拠に乏しい

 例えば、普段は上下運動をしないであろう佐藤浩市(63)にトランポリンをさせたり、手足の長い阿部寛(60)に、厳粛な法廷でありえないタップを踏ませたりして、そのワンシーンを撮りたいがために、後から肉付けをして劇場版を作ることもある。

「ギャラクシー街道」も同様で、長澤に言われて確かめた三谷監督は、普通は大口を開けてかぶりつくハンバーガーを、綾瀬が、実にうさぎが葉っぱを食べるように、かわいく食べるシーンをフィルムに残すために作られたシーンありきの映画だったと話した。

 これまで長澤と綾瀬は“共演NG女優”と勝手に位置付けられてきたが、“不仲説”が三谷監督の証言で大きく覆ったことから、芸能記者たちがザワついたのだ。そもそも長澤と綾瀬の不仲説は根拠に乏しい。2人はオーディション仕立てのイベントがきっかけで2000年に芸能界入りを果たし、ともに注目された作品が、たまたま04年の「世界の中心で、愛をさけぶ」だった。長澤は劇場版(東宝)で約85億円の記録的興行収入をあげ、その2カ月後には綾瀬がTBS系の地上波連続ドラマで平均視聴率16.0%、最高視聴率19.1%(ともにビデオリサーチ調べ、関東地区)という高視聴率を残した。以来、本人たちのあずかり知らぬところで、何かとライバル扱いをされてきた。

 そんな2人は15年、是枝裕和監督の「海街diary」で初共演を果たし、これ以降、関係に変化が見られるようになってきた。例えば長澤と、本気のケンカのシーンを撮り終えた綾瀬は、その後のインタビューで「“よっちゃん”(役名)が言い返してくるのがすごくかわいくて。自分の方が姉役だから余裕もあったのは確かだけど、私にこういう妹がいたら、かわいいだろうな……」と語り、役者としても個人としても仲が深まったという印象を筆者は受けた。

 恐らく、「テレビ制作側が共演オファーを出しても、すぐに断られてしまう」といった共演NGの根拠とされるエピソードは、冷静に周囲の状況を判断すると、事務所担当者の判断だったのだろう。何らかのボタンの掛け違えで本人たちにオファーが届かなかった可能性が否定できない。

 デビュー以来、多忙を極める長澤と綾瀬が再び共演する日も、三谷監督の証言を聞く限り遠くないのではないか。

(芋澤貞雄/芸能ジャーナリスト)