2025年2月に初開催されるTechGALA Japanの主催者らが記者会見を開いた。中経連会長、東海国立大学機構長、愛知県知事、名古屋市長らが出席した
撮影:横山耕太郎

Business Insider Japan 2024年9月3日掲載の記事を編集して転載

名古屋を舞台にした大規模なスタートアップイベント「TechGALA Japan(テックガラジャパン)」が2025年2月に開催されるのを前に、名古屋市内で9月2日、イベントの主催者らが記者会見を開いた。

会見にはTechGALA Japanを主催する、中部経済連合会・名古屋大学・愛知県・名古屋市らの代表が出席。中経連会長の水野明久氏(中部電力相談役)は「名古屋地域は製造業の集積地。ものづくりの中心地から、国際的に競争力のあるスタートアップを生み出していきたい」と意気込みを語った。

TechGALA Japanは、中経連、名古屋大学、愛知県、名古屋市、浜松市などによって組織する「Central Japan Startup Ecosystem Consortium」が主催。同コンソーシアムはスタートアップ・エコシステムの形成を目的としている。愛知・名古屋および浜松地域は2020年7月、内閣府がスタートアップ・エコシステム「グローバル拠点都市」として選定した。

起業家ら300人集結予定

Tech GALA Japanは2025年2月4〜6日の3日間、名古屋・栄地区や鶴舞地区で開催する。期間中は国内外の起業家らが約300人集まり約80のトークセッションを開くほか、海外市場を目指す日本のスタートアップや日本市場を狙うグローバルスタートアップを対象としたピッチコンテスト、ハッカソンなどが開催される。

主催者によると来場者は5000人以上を想定しており、そのうち2割は外国からの参加を見込んでいる。

「一番未来を作れるのは名古屋」

撮影:横山耕太郎

TechGALA Japan総合イベントプロデューサーで、IT企業に特化したカンファレンス事業で起業するなど、テックイベントに詳しい詳しい奥田浩美氏(※)は、「1番未来を作れると私が思った場所がこの愛知、名古屋だった。日本の勝ち筋がここにあるんじゃないかと思っている」と話した。

TechGALA Japanのコンテンツテーマは、「境界を超えるモビリティ革命」、「持続可能な環境の実現」、「マテリアル革新力:世界産業全体の強靭化」などの5つを掲げている。

愛知県はトヨタを始め世界的なメーカーを生んだ土地であり、また名古屋大学はノーベル賞受賞者を輩出し、大学発のスタートアップも多く生み出している。

「イベントで掲げた5つのテーマは、世界の潮流としてこれから先、最も先伸びてくるだろうという分野。そしてこの地域では、これらのテーマについて、すでにどんどん先を走っている。

世界中からの参加者を集めて、この地域で日本の勝ち筋を見せていきたい」(奥田氏)

※奥田浩美…ウィズグループ代表。インド国立ボンベイ大学(現州立ムンバイ大学)大学院社会福祉課程修了(MSW)。1991年にIT特化のカンファレンス事業を起業し数多くのITプライベートショーの日本進出を支える。情報処理推進機構・未踏IT人材発掘育成事業委員、「IT人材白書」委員など。

10月には国際最大級の育成拠点が開業

撮影:横山耕太郎

名古屋市内には2024年10月、愛知県が建設した国内最大級のスタートアップ育成拠点「ステーションAi」が開業する。ステーションAiは開業時には500社、開業5年後には1000社のスタートアップの加入を目指すなど、スタートアップ育成に力を注ぐ。

TechGALA Japanでアンバサダーを務めるeiicon社長の中村亜由子は、「愛知県は国内でも早くスタートアップ戦略を出し、ステーションAiの開業なども控える。もともと高い技術を持っており、大企業とスタートアップの融合をうまく使いこなせさえすれば、ジャパンクオリティのプロダクトが、世界をまた席巻していく時代になる」と話した。

ヘラルボニー松田氏ら登壇決定

Image: TechGALA Japan

この日の記者会見では、TechGALA Japanで開催されるセッションの内容も一部発表された。

ヘラルボニーCo-CEO・松田崇弥氏が「サスティナブルイノベーションの社会的価値と経済的価値の両立について」をテーマにセッションを行うほか、国内でいち早くインパクトファンドを立ち上げた小木曽麻里・SDGインパクトジャパンCo-CEOは、「未来共創、これからの世界のあるべき姿」をテーマにセッションを開催する。

また日本発と言われる「発酵テック」のファーメンステーション・酒井里奈代表が「最先端マテリアルとしてのバイオ素材」について、地球温暖化を研究する気象学者で東京大学未来ビジョンセンター・江守正多教授は「地球沸騰時代、企業に求められるイノベーション」についてセッションを開くという。

他には、アフリカ宇宙開発財団の理事などを務めるアドリアナ・マライさんや、安田クリスチーナさんらの登壇が決まっている。

登壇者やセッションの詳細は、順次、公式ウェブサイトなどで公開される。

※TechGALA Japanの委託事業者に採択されているインフォバーンは、Business Insider Japanを運営するメディアジーンと同じTNLメディアジーンのグループ会社です。