ブロムリーの本拠地ヘイズ・レーン photo/Getty Images

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イングランドの4部相当となるリーグ2。ここの戦いに注目している日本のサッカーファンはほとんどいないだろうが、今季特別なシーズンを迎えているクラブがある。

クラブ創立から132年の時を経て、初めて4部のリーグ2まで上がってきたブロムリーFCだ。このリーグ2までがイングリッシュ・フットボールリーグ(EFL)の管轄となり、ブロムリーにとってこの昇格は特別な意味を持つ。



ブロムリーの始まりは1892年のことで、長い時間を下位カテゴリーで過ごしてきた。2007年からは6部相当となるカンファレンス・サウス(旧称:ナショナルリーグ・サウス)でプレイしてきたが、なかなか芽は出ず。

5部相当のナショナルリーグに上がったのは2015年のことで、そしてついに昨季昇格プレイオフを制してリーグ2昇格を決めたのだ。

しかもブロムリーはアウェイでの今季開幕戦となったハローゲート・タウンに2-0で勝利。あっさりとリーグ2初勝利を収め、17日には、待ち望んでいた本拠地ヘイズ・レーンにウィンブルドンを迎えての第2節を戦った。収容5000人と小規模なスタジアムではあるが、地元のサポーターにとっては特別な一戦だ。

試合は35分にマイケル・チーク、60分にコーリー・ホワイトリーが得点を決め、これまた2-0で勝利。驚きの開幕2連勝スタートだ。

英『BBC』は、1960年代よりブロムリーの全てのゲームを現地観戦してきたというロイ・オリバー氏に話を聞いている。現在は77歳を迎えているオリバー氏だが、毎週ブロムリーのゲームを見てきたからこそ込み上げる特別な思いがあるのだ。

「132年の時をかけ、こんな日が実現するとは夢にも思っていなかった。信じられないよ。昇格プレイオフ決勝の終わりには、かなり感情的になった。良い時も、悪い時もこのチームを応援してきた。リーグ2に残留することだけが目的ではないよ。多くの人々が間違っていることを証明してほしい。ナショナルリーグでは、我々のことを小規模なクラブだと呼ぶ者もいたが、そうではない。我々はプロフェッショナルなクラブだ」

4部相当のリーグで大きな盛り上がりを見せるあたりは、さすがサッカーの本場と言える。世界的注目度は低いかもしれないが、ブロムリーにとっては歴史に刻まれる特別なシーズンだ。