Photo: ヤマダユウス型

専用シャッターボタンを備えるだけはある。

2024年6月に登場したソニーのAndroidスマホ「Xperia 1 VI」。このフラッグシップモデルには、ソニーが持つテレビの技術、オーディオの技術、そしてカメラの技術が惜しみなく濃縮されています。贅沢な一台ですよねぇ。

「ヤマダさん、Xperiaカメラ使ってみたいって言ってましたよね。レビューしてみますか?」

そう言われたら試すっきゃない! というわけで「Xperia 1 VI」を片手にあちこちで撮影してきました。フォトレビュー感覚でご覧ください。

■「Xperia 1 VI」のカメラ、ココがすごい

16mmの超広角、24mmの広角、85-170mmの光学望遠ズームを搭載。光学望遠ズームは画質を落とさずにズームができるので、望遠撮影がすんごい楽しい

景色全部撮り:超広角

まずは16mmの超広角レンズでの撮影から。一面の花畑で撮影しましたが、ワァっとした広がりがよく表現できていますね。正直、デジカメは標準ズームレンズにして、超広角域の撮影は「Xperia 1 VI」でいいじゃんって思ってます。

※撮影モードはすべてRAW+JPGで、記事にはJPGの撮って出しを掲載しています。Proモードで撮影しており、露出は撮影時に調整しています。

広がりのある空間の圧倒感のようなものも、超広角なら描きやすい。天井が高い場所では積極的に超広角レンズを向けたくなります。

狭い個室での撮影も、16mmならなんとか残せる。標準の広角撮影だとちょっと狭く見えるな〜と感じたとき、後ろに下がれない環境でも引かせてくれるのが超広角の持ち味です。

2倍ズーム、お世話になります:広角

お次は24mmの広角レンズ。カメラアプリを起動するとデフォルトで選ばれる、いわゆる標準のレンズになります。

超広角と望遠の有効画素数は12MPですが、この広角は有効画素数48MP(記録画素数12MP)とすごくリッチ。デフォルトだけあって画質にも気合入ってますよ。

F値も1.9と明るく、暗所耐性も素晴らしい。暗めの店内で撮影しましたが、ヒストグラムを見るとシャドウ域もしっかり粘っています。RAWで撮ってゴリゴリ編集するのもおもしろそう。

また、この広角レンズは2倍相当(48mm)にデジタルズームが可能。もとのセンサーが大きいだけに画質劣化もほとんどなく、24mmだとちょっと遠いな〜というときに一瞬で近寄れて非常に便利です。

2倍ズームで撮影した海老チャーハンのシズル感、いいじゃんいいじゃん! 露出はわりと上げてますが、ノイズもほとんど出ていません。

メインで使うカメラだけあって、画質的な心地良さはナンバーワンでした。コントラストのある被写体にも強く、「ここ綺麗だな」と思った場所を切り取るには最適。

スマホらしからぬ絵をスマホで:望遠

次は85-170mmの望遠域を見ていきましょう。85mm-170mmの間であればデジタルズームすることなく光学ズームでの撮影が可能で、幅広い画角を高画質に切り取れるのが持ち味。「Google Pixel 8 Pro」や「Galaxy S24 Ultra」なども光学望遠ズームが可能ですが、ズーム域の広さでは「Xperia 1 VI」が頭一つ抜けています。

地上69Fからハマの街を見下ろせる、横浜ランドマークタワー「スカイガーデン」を訪れました。遙か273mの眼下を走る電車の色だって、「Xperia 1 VI」のズームなら捉えきれます。

井の頭公園を散歩していると、カイツブリの巣を発見。手前に草が生い茂る難しいシーンでしたが、小さなくちばしにピントを合わすことができました。こういった動物の撮影はちゃんとした望遠レンズがないと本来は難しいところ。デジタルズームだとノイズが気になるし、ズームが足りないとよく見えない。

警戒心のないドバトはここまで近寄れます。動き回っているのでピント合わせが難しいかと思いきや…。

AFの食いつきがいいったらない。被写体を画面タッチすればフレームが表示され、ピントを追い続けてくれます。このあたりの操作性はもはやデジカメと変わりませんね。

暗い場所こそ撮ってみたい:夜景撮影

お次は夜景を中心に暗所撮影を見ていきましょう。さきほどのスカイガーデンから夕焼けを撮影しました。あいにくの梅雨時期でしたが、分厚い雲もきらめく日差しもしっかり描画できていますね。

みなとみらいのランドマーク、帆船日本丸。日が落ちるギリギリの時間でしたが、空の絶妙な青暗さが残っているのはすごい。

汽車道はみなとみらいを一望できる定番の撮影スポット。撮影モードをマニュアルにし、シャッタースピードを1/30に落として撮影しました。これぞ夜景な一枚も撮影できる、「Xperia 1 VI」ならね。

逆光ではややフレア気味。望遠にすると特にフレアが出ますが、ハイキー目の演出として使えなくもないです。点光源を見つけたら積極的にレンズを向けてみましょう。

35mm換算で倍率2倍にもなる:テレマクロ

最後はテレマクロでの撮影を紹介。これは望遠側のレンズを使った超近距離撮影モードで、上のコーヒー豆は被写体から数センチの距離で撮影しました。光源は「Xperia 1 VI」の内蔵フラッシュを使っています。良い質感だ。

ここで問題。この白いモヤモヤ、何かわかりますか?

正解は、エアプランツに生えているトリコームと呼ばれる極小の鱗片。肉眼距離では密集して白いモフモフに見えますが、マクロ距離まで近づくと毛の長さや方向まで視認できます。身近なものを撮影したくなりますね。

テレマクロモードでは、35mm換算で最大撮影倍率2倍のマクロ撮影が可能。倍率2倍のマクロレンズといえば、デジカメでもそう多くありません。僕はデジカメでもマクロ撮影が好きなんですが、持ち歩ける倍率2倍とか最高でしかないですね。え、しかも広角や望遠も撮れるんですか?

ミクロからマクロまで、あらゆる撮影を楽しめるスマホ

超広角、広角、望遠、夜景、そしてテレマクロ。5つのテーマで撮影してみましたが、どの場面でも「ここまで撮れるか!」と思わせてくれました。「デジカメにスマホ機能が付いている」なんて呼ばれるカメラ重視スマホも最近では珍しくありませんが、まさしくそれ。

さらに一枚を深く作り込みたいなら、RAW撮影したデータをレタッチアプリで編集するのも一興。「Xperia 1 VI」はディスプレイがすごく美麗で、色味を作り込んでいくにも向いていますよ。HDR対応の有機ELディスプレイは伊達じゃあない。

レビュー中に実感したのは、「Xperia 1 VI」を持ってると旅行欲が刺激されるということ。コレ一台でオールラウンドな画角をカバーできるから、身軽な旅行が楽しめそうです。次に何を撮るかを考えたくなる、そんなカメラ…じゃなく、スマホでした。

ソニー Xperia 1 VI
189,200円
Amazonで見る
PR

Photo: ヤマダユウス型