7日、都内で開いた新車発表会見で話すスズキの鈴木会長(撮影:吉川忠行)

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スズキ<7269>の鈴木修会長は7日、東京都千代田区のホテルニューオータニ東京で開いた新型軽『セルボ』の発表記者会見で、「軽自動車の生産を抑制してでも、輸出用の『SX4』、『スイフト』の生産を重点的に注力する」と話し、販売拡大が続く軽自動車の今年の市場見通しについて初の200万台超えはないとの観測を示した。

 同社は軽自動車を今年と来年に3万台ずつ減産、海外で好調の小型車を今年6万台、来年に3万台増産し、08年秋の新工場(静岡県牧之原市)稼働後に再び軽生産を増強する計画を立てている。33年ぶりの首位交代が焦点となっているダイハツ工業との軽販売台数争いについては「一番というのは何でもいい。そういう思いは変わらない」と語った。

 また、海外での需要増が続く『SX4』、『スイフト』の好調を「私はノータッチで若い人たちがやってくれた」と評し、小型車部門と軽自動車部門を完全に分離させる方向性を示した。

 経営再建中の米ゼネラル・モーターズが今年3月にスズキに売却したスズキ株(発行済み株式数の17%)を買い戻す可能性については、「赤字基調が続いているので、(他社への売却や消却はしない)1年間じゃ無理なんじゃないか。お任せをする」と言及。「25年にわたって教えてもらったクルマ作りのノウハウはものすごく貴重。師弟の関係として今後とも友好におつきあいしていきたい」とし、GMが持つハイブリッド、燃料電池車、CVT(無段変速機)など次世代技術を軸とした協力拡大については前向きの姿勢を示した。【了】

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