パラマウント・グローバル、『トップガン マーヴェリック』スカイダンス・メディアと合併へ ─ 2025年第3四半期に完了予定

写真拡大

パラマウント・ピクチャーズや米CBS局などを擁する巨大メディア企業パラマウント・グローバルが、『トップガン マーヴェリック』(2022)などで知られる映画製作会社スカイダンス・メディアとの合併に合意した。

今回の合併は2段階にわたり、まずはスカイダンスがパラマウント・グローバルの支配権を有するナショナル・アミューズメンツを24億ドルで買収。その後、同社がパラマウントと合併するという流れだ。合併には規制当局の承認が必要で、2025年の第3四半期には完了する見込み。なお、今回の合意には「ゴーショップ条項」が45日間設定されており、その間パラマウントは他の有力な買い手を探すことができる。

1980年代から、パラマウントはナショナル・アミューズメンツを有するレッドストーン一族によって経営されてきたが、合併によってレッドストーン家は経営から退くことになる。合併後の会長兼CEOにはスカイダンス創業者のデヴィッド・エリソンが、社長にはNBCユニバーサルの元CEOであるジェフ・シェルが就任する予定だ。

新社長のシェルは「我々はこの会社(パラマウント)のクリエイティブなエンジンが大好きですが、大部分はリニア(従来のテレビ放送)にあります。しかし、現在のリニアは変化と衰退の時期にある。別のやり方でこの事業を運営していかなければなりません」と語った。ひとつの鍵となるのが、いまだ収益性に乏しい自社のストリーミング・サービス「Paramount+」だ。すでにエリソンとシェルは、ストリーミングの分野で新生パラマウントを「テクノロジーのリーダー」とするべく、20億ドルのコスト削減を含む新戦略を発表している。

経営的苦戦を強いられてきたパラマウントをめぐっては、長らく事業売却や合併の可能性が伝えられており、2023年12月にはワーナー・ブラザースとの合併協議が行われていると。当時からスカイダンスとの合併説はあったが、レッドストーン家との折り合いがつかず、今回の合意までには約半年の年月を要している。その間にはソニー・ピクチャーズも買収に興味を示したが、こちらもレッドストーン家は退けている。

パラマウントとスカイダンスが、『トップガン マーヴェリック』や『ミッション:インポッシブル』シリーズなどで提携し、深い関係を築いていたことも合意の大きな要因だったのだろう。ナショナル・アミューズメンツのシャリ・レッドストーン社長は、「業界の変化を踏まえ、パラマウントを未来に向けて強化し、コンテンツこそを王としつづけたい。スカイダンスとの取引が、急速に変化する環境のなか、パラマウントの継続的成功を可能にしてくれることを願っていますと声明を発表した。

なお、シェルは新会長兼CEOのエリソンについて、「クリエイティブの重役がハリウッドの大企業を経営するのは久々のこと。クリエイティブが核、またアーティストとの協働がビジネスの核である以上、デヴィッドのような人物がビジネスを指揮することは非常に重要だと考えています」と述べた。

Source: ,

The post first appeared on .