プールや映画館まであった!かつて世界一の人口密度を誇った「軍艦島」のトリビア
海に浮かぶ様子が要塞のようにも見える「軍艦島」。日本には数多くの島がありますが、軍艦島はそれらとは一線を画すユニークさを持っていますよね。
そのドラマチックな姿から、多くの映画やドラマの撮影地ともなっている軍艦島ですが、実は「軍艦島」という名前は通称だということを知っていましたか?
そこで、今回の記事では、知っているとちょっと自慢できるかもしれない、軍艦島のトリビアをいくつかご紹介していきたいと思います。
軍艦島(Wikipediaより)
軍艦島の正式名称は……?
先ほども書いたとおり、「軍艦島」というのは通称であり、正式名称ではありません。「端島(はしま)」というのが正式名称なんです。
ちなみに、2015年に端島炭坑を含んだ「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」は世界文化遺産に登録されています。
かつては世界一の人口密度を誇った
現在は無人島の軍艦島ですが、かつては世界一の人口密度を誇った場所でもありました。
島の面積は幅160m、長さ480mほどと小さいのですが、最盛期の1960年(昭和35年)には5,267人が住んでいました。
人口密度は83600人/km²となり、当時の東京特別区の約9倍ほどでした。
給与は高く、エンタメも充実
昭和初期の端島
軍艦島での仕事は決して楽なものではありませんでした。特に海底の地下は気温は30℃、湿度は90%以上ともなり、蒸し暑く過酷な環境でした。
仕事が過酷であった分、給与は当時の平均よりも高かったと言われています。
また、船で毎日通勤するのは大変だったため、日本初の鉄筋コンクリート造の高層アパート「軍艦島、30号棟アパート」が建てられました。炭鉱労働者とその家族が普段の生活も島で完結できるよう、病院・学校・神社・映画館・理髪店・プールなどの施設がありました。
さらに、驚くべきことはテレビの普及率!1960年当時、日本全国の白黒テレビの普及率は約10%でしたが、軍艦島ではほぼ100%。当たり前に各家庭にテレビがある、という状況でした。
なお、現在軍艦島は無人島であり、個人が勝手に渡航することは禁止されています。船で軍艦島の周りをぐるっと巡る「軍艦島クルーズ」がありますので、気になる方はチェックしてみてください。
いかがでしたか?この記事が、みなさんが少しでも日本文化や歴史の面白さに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。
画像出典: Wikipedia