QualcommのSnapdragon X Eliteを搭載した「Surface Laptop 7」はどのような性能を備えているのか、さまざまなベンチマークを実行して確認してみました。

新しいCopilot+ PC、Surface Laptop (第 7 世代) の登場 | Microsoft Surface

https://www.microsoft.com/ja-jp/surface/devices/surface-laptop-7th-edition

Surface Laptop 7の外観情報などは以下の記事に掲載しています。ベンチマークを行うのも同じモデルで、画面サイズは15インチです。

AI処理特化のNPUとSnapdragon X Elite搭載の「Microsoft Surface Laptop 7」フォトレビュー - GIGAZINE



◆スペック情報

まずは「CPU-Z」でCPU情報を確認しました。搭載CPUは「Qualcomm Snapdragon X Elite」で、12コア・12スレッドです。また、GPUは「Qualcomm Adreno GPU X1E80100」でした。



GPU情報は「GPU-Z」で細かく確認したかったのですが、「このグラフィックデバイスに未対応」とのことで、情報取得に失敗しました。



ストレージ情報を「CrystalDiskInfo」で確認したところ、Samsung製1TB SSDを搭載していました。容量はほかに256GB、512GBが選択可能です。



NPU情報はタスクマネージャーで確認したところ「Qualcomm Hexagon NPU」となっていました。



◆ベンチマーク

続いてベンチマークを行っています。まずは「CrystalDiskMark」でストレージの転送速度を計測したところ、結果はシーケンシャルリードが3659.83MB/s、シーケンシャルライトが2937.89MB/s、ランダムリードが374.96MB/s、ランダムライトが463.13MB/sでした。特別に高速なわけではないものの、遅いというわけでもないといった印象です。



「CrystalMark Retro」を実行したところ、全体スコアは「3311」、CPUのシングルコアスコアは「7520」、マルチコアスコアは「88490」でした。



「Geekbench 6 Pro」では、CPUとGPUのベンチマークを行いました。

まずCPUのベンチマーク結果はシングルコアスコアが「2389」、マルチコアスコアが「13451」でした。



シングスコアスコアの詳細は整数演算が「2346」、浮動小数点演算が「2471」でした。



同様に、マルチコアスコアの詳細は整数演算が「12345」、浮動小数点演算が「15775」でした。



続いてGPUのベンチマーク結果。OpenCLのスコアは「18616」でした。



OpenCLのスコア内訳はこんな感じ。



Vulkanのスコアは「21564」でした。



Vulkanのスコア内訳はこんな感じ。



「Passmark PerformanceTest V11」ではCPU、2D、3D、メモリー、ディスクの5種類の測定を行って総合スコアを算出します。このソフトの特徴は過去に行った計測結果とソフト内で視覚内に比較可能な点なので、過去に使用事例が多いx86版とまだ使用例の少ないARM版をそれぞれ実行しました。スコアは、3回実行したうち最もよかった数値を採用しています。

まずはx86版。総合スコアは「3694」で、このソフトを使ったベンチマーク結果全体の中でどの位置にあるかを示すパーセンタイルは42%。ほぼ中間。



過去のSurfaceシリーズであるSurface Laptop 4、Surface Laptop 5、Surface Go 4、Surface Laptop Go 3、および本機と同じCopilot+ PCであるASUS Vivobook S 15と比較した結果はこんな感じ。エミュレーションながら、Laptop 4やLaptop 5と同等のスコアが出ています。



CPUスコアは「14243」、パーセンタイルは51%。



エミュレーションなのでCPU欄は「Virtual@3.41GHz」との表記。同じくエミュレーション実行だったVivobookとスコアに差が出ていますが、x86変換レイヤーの違いなのかなんなのかはわかりませんでした。なお、WindowsのバージョンはSurface Laptop 7が「Windows 11 バージョン 24H2(OSビルド 26100.1000)」、Vivobookは「Windows 11 バージョン 24H2(OSビルド 26100.863)」でした。



2Dグラフィックスのスコアは「253」で、パーセンタイルは18%。



他機種との比較はこんな感じ。IntelのIris Xeグラフィクスほどのスコアは出ないものの、Intel UHDグラフィクスは上回るぐらいのスコアが出ています。



3Dグラフィックスのスコアは「2581」で、パーセンタイルは28%。



今回並べた他の機種とそれほど大きなスコア差はありませんでした。



メモリースコアは「2814」。パーセンタイルは55%。



メモリーに関しては同じCopilot+PCのVivobookとともにスコアは高めとなりました。



ディスクスコアは「26628」、パーセンタイルは80%なのでかなり上位寄り。



他機種との比較でも、Vivobookとともに差を付けています。



続いてARM版の結果。総合スコアは「3684」で、パーセンタイルは42%。x86版実行時とほぼ同じスコアとなりました。



同じARMアーキテクチャのASUS Vivobook S 15とのみ比較を行いました。



CPUスコアは「27241」、パーセンタイルは81%でかなり上位。



比較結果はこんな感じ。



2Dグラフィックスのスコアは「264」、パーセンタイルは21%。やや低め。



同じSnapdragon X Eliteを搭載しているはずですが、Vivobookと差がついています。



3Dグラフィックスのスコアは「2115」、パーセンタイルは25%。



2Dとは違い、Vivobookとほぼ同スコアとなりました。



メモリーのスコアは「4249」でパーセンタイルは99%。上から数えて上位1%以内に入っています。



比較結果はこんな感じ、Vivobookも高めでした。



ディスクのスコアは「26442」でした。パーセンタイルは80%と高め。



比較結果はこんな感じでした。Copilot+ PCの要件に「40TOPS以上のNPU」が含まれるのですが、Passmark PerformanceTestではNPUは計測対象外なので比較できないのが残念なところ。



続いて、「オーライベンチ」として長く親しまれている「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」を実行してみました。なお、そもそも対応OSにWindows 11が含まれていません。



「軽量品質」「標準品質」「高品質」を、それぞれ4つの解像度でフルスクリーンで実行した結果をまとめたものが以下。さすがに、ゲームを遊ぶことを主目的とした端末ではないので、最小解像度以外では動作は重めです。

品質\解像度3840×21602560×14401920×10801280×720軽量品質1362(動作困難)2321(重い)3192(普通)5793(やや快適)普通品質1063(動作困難)1812(動作困難)2431(重い)4855(やや快適)高品質781(動作困難)1219(動作困難)1534(動作困難)2275(重い)

「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマークも実行してみました。このベンチマークは品質設定が5種類あるほか、解像度はPCで設定可能なすべての解像度が選べて組み合わせが非常に多くなってしまうため、解像度は「1920x1080」のみで行いました。



結果は以下のように、最高品質以外は「普通」となりました。

品質\解像度1920×1080標準ノート5151(普通)標準デスクトップ5565(普通)高品質ノート5109(普通)高品質デスクトップ4455(普通)最高品質3090(設定変更を推奨)

さらに引き続き、バッテリー持続時間や熱、騒音などの測定を行って、情報をまとめていきます。

<つづく>