Googleが表計算アプリ「Googleスプレッドシート」の計算速度を、Google ChromeとMicrosoft Edgeで2倍に高速化したことを発表しました。このほかにも多数の改善が加えられています。

Double Calculation Speed in Google Sheets Plus New AI Features | Google Workspace Blog

https://workspace.google.com/blog/sheets/new-innovations-in-google-sheets



Googleスプレッドシートのグループプロダクトマネージャーであるエリック・バーンバウム氏によると、より高速なコード実行を実現する「WasmGC」によって、スプレッドシートの計算速度を2倍に向上させたとのこと。また、スムーズなスクロールやセル制限の拡張といった改善が行われたほか、数式の実行やピボットテーブルの作成、条件付き書式の使用などで、操作性が向上しています。

そのほかにも、以下のような改善が加えられています。

◆サイドパネルへの「Gemini for Workspace」追加

チャットAI「Gemini」と対話しつつコンテンツの要約・分析・生成が行える「Gemini for Workspace」が、サイドパネルから利用できるようになります。Geminiがメールやドキュメントから得た情報をもとに、文脈に沿ったスプレッドシートを作ってくれたり、作業中のスプレッドシートの概要を自動表示したりしてくれます。

たとえばこんな感じで、まだなにも作業していないスプレッドシートを前にGeminiを呼び出して「テーブルを作成して欲しい」と依頼。最初から複数のプロンプトが用意されていて、内容は細かくカスタマイズ可能。



Geminiに任せて、しばし待機。



すると、求めていたテーブルをGeminiが出力してくれました。



◆事前構築テーブル

データ作成時、まっさらなスプレッドシートから作業を開始するのはやや面倒なもの。この手間を省ける、事前構築済みのテーブルが用意されます。

用意される事前構築テーブルの一例、「イベントタスク用」。タスク名と進捗状況、担当者などの記入欄が用意されています。



「採用」では履歴書添付欄や面接担当者などの欄があります。



「コンテンツ管理」だと、種類欄の内容が「メール」「SNS」「TV」「ブログ」などになり、どのメディアで発信したものなのかをプルダウンメニューで選ぶだけとなっています。



また、新たなテーブル機能により、データの構造化と調整が簡単になります。人事、マーケティング、営業など、それぞれの担当する仕事によって求めるものは異なりますが、テーブルが自動的に書式設定や整理を行い、手動作業の手間を軽減してくれるとのこと。

◆条件付き通知

Googleスプレッドシートは、複数人が同時に同じシートを編集できるので重宝されていますが、一方で、複数人が同時に編集していると、誰がどこにどのような変更を加えたのか、すべてを把握することが難しくなります。

そこで導入される機能が「条件付き通知」です。スプレッドシートごとにルールを作成し、特定の条件が満たされたときだけ通知を送れるという機能で、たとえば「statusの列に変更が加えられたとき」のみ通知を受け取るといったことができるようになります。



バーンバウム氏は、これを「スプレッドシートの自動化の始まり」と表現しています。

なお、改善にあたってスプレッドシートチームはChromeチームと協力しており、まずはGoogle ChromeとMicrosoft Edgeに改善が提供されます。将来的にはFirefoxやSafariにも改善が提供される予定です。

また、今後はコピー&ペーストやフィルターなどのパフォーマンス改善に取り組んでいくとのことです。

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