【そうめん発祥の三輪素麺】老舗の6代目直伝!いまさら人に聞けない「茹で方」「締め方」「保存法」とは⁉

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暑くなると食べたくなるのが、そうめん。冷たくて繊細なのど越しの麺が暑い日にぴったりですよね。すぐに茹でられるのも魅力的。簡単に作れるそうめんですが、実はおいしく作るコツがたくさんあるそう。それを教えてくれていたのは、そうめん発祥の地・奈良県桜井市にある三輪山勝製麺の6代目麺職人・山下勝山さんです。いよいよ到来のそうめんシーズンを前に、さっそく試してみることに♪

【いまさら人に聞けない】そうめんの「基本のレシピ」とは⁉リュウジさん流「世界一おいしい食べ方」を実践♪

そうめんの格上げ裏ワザを教えていたのは三輪山勝製麺の麺職人・山下勝山さん


おいしいそうめんの裏ワザを伝授していたのは、三輪山勝製麺の6代目麺職人の山下勝山さん。昨年8月17日放送の『ソレダメ!~あなたの常識は非常識⁉~』に登場し、披露していましたよ。

ちなみに山下さん、日本食糧新聞公式X(旧Twitter)でも紹介されていますね。

それもそのはず、山下さんが作る手延べ麺は、2008年の洞爺湖サミットの晩餐会で各国首脳にふるまわれたほどの逸品!高い評価を受けている、スゴ腕の麺職人さんなんです。

ところで、三輪勝山製麺がある奈良県桜井市は、そうめん発祥の地と言われています。約1200年前、三輪山の霊水と飢餓や疫病に苦しむ民の救済のために撒いた小麦で、手延べそうめんを作ったのが始まりとされているんですって。

三輪そうめんはお伊勢参りの途中で訪れた人々に愛され、手延べ製法が兵庫県の播州地方、小豆島、島原へと伝わり…現在のそうめんの名産地に広く手延べ製法が根付いたそうですよ。

山下勝山さん直伝!そうめんの格上げ裏ワザはこの4つ

スゴ腕麺職人の山下勝山さんが『ソレダメ!~あなたの常識は非常識⁉~』で披露していた、そうめんの格上げ裏ワザを紹介します。

【そうめんの格上げ裏ワザ① 保存方法】
そうめんの保存場所は冷蔵庫の野菜室!



山下さんによると、そうめんの一番の大敵は湿気。そのため湿気が少ない冷蔵庫の野菜室が保存場所に最適なのだとか。さらに開封したそうめんはジッパー付き保存袋に入れ、空気に触れないよう密閉するのも忘れずに!とのこと。

湿気対策をしっかりとしたそうめんは、風味やコシが守られて、味の劣化を防げます。

【そうめんの格上げ裏ワザ② 茹で方】
梅干し1粒と一緒にそうめんを茹でる!



そうめんにしっかりとコシを出し、おいしく茹でる方法として山下さんがおすすめしていたのが、梅干し入りのお湯で茹でる方法。

梅干しに含まれるクエン酸が小麦と結びつくことでそうめんにコシが生まれるそうですよ。この方法は初耳です!

【そうめんの格上げ裏ワザ③ 締め方】
ぬめり取りは念入りに♪氷水で締めるのは10秒ほど!



そうめんの茹で時間は、パッケージの表示通りでよいとのこと。茹で終えたそうめんは、表面の油分やぬめりを取るために、よく洗い流します。そして氷水の中へ。

ただし浸けるのは、10秒ほどの短時間。冷やし過ぎると、麺が持つ旨味や甘味が消えてしまうのだそう。冷たいそうめんを食べたいからといって、麺を冷やし過ぎるのは厳禁なんですって。

【そうめんの格上げ裏ワザ④ つゆの工夫】
そうめんを冷やし過ぎない代わりに、つゆを冷やす!



そうめんのおいしさを損なわないため、氷水に浸すのは10秒ほど。とはいえ、冷たいそうめんを食べたい!という方は多いはず。そこで、そうめんの代わりにつゆを冷やします。つゆをキンキンに冷やすことで、冷たいそうめんを楽しむことが出来ます。

開封後のめんつゆは冷蔵庫で保存していると思うので、さらに氷水を当てると冷たくなりますよ。



そうめんの格上げ裏ワザを実践!「極上そうめん」を作ってみた!



買ってきた三輪そうめんを冷蔵庫の野菜室で1日保存しておきました。今回はこの三輪そうめんを使って、格上げ裏ワザを試してみたいと思います。



たっぷりのお湯を沸かして、梅干し1粒とそうめん1束を入れて茹でます。梅干しを入れる以外は、いつものそうめんを茹でる時と変わりはありませんよ。

パッケージには2分ほど茹でると書かれていたので2分待ちます。



茹で上がったそうめんを流水でよく洗います。画像を撮るために水を流しているだけのように見えますが、この後しっかりと揉み洗いしていますよ。そして氷水へ10秒ほど浸けてから、水切りしました。

そうめんの格上げ裏ワザはまったく難しいことはなく、いつも通りのそうめんの茹で方とほぼ同じでした。さて、食感に違いがあるのでしょうか?食べてみましょう!

そうめん1本1本がコシを主張しているかのよう♪冷たいつゆでひんやり感も満足



麺職人・山下勝山さん直伝のそうめんの格上げ裏ワザ4つを守って作った「極上そうめん」です。見た目はいつものそうめんとほぼ同じですが、食感に違いがあるのでしょうね。では実食!



「極上そうめん」を噛んだ瞬間に、程よいコシを感じます♪そうめんはとても細いのに、1本1本がしっかりとコシを主張しているかのよう。くったり感は、全くありません。そうめんなので当然、うどんのような強いコシまでは生まれませんが、そうめんを噛むという行為を楽しめるかのような食感ですよ。

そして氷水に10秒ほど浸しただけですが、それでもしっかりとそうめんが冷えています。つゆも冷たいので、このひんやり感には大満足。

今回は2倍濃縮のめんつゆを水で薄めましたが、夏本番の暑い日なら2倍濃縮のめんつゆに氷を直接入れて薄めるとさらに冷えておいしくなりそう♪

温かい「にゅうめん」でも食感を試してみた!



格上げ裏ワザで茹でた「極上そうめん」に、白だし(分量外)を薄めて作った温かいだしをかけて「にゅうめん」にしてみました。茹でた時に使った梅干しと青ねぎ(分量外)の小口切りをトッピングしていただきます♪

おおっ、そうめんにコシがあるので温かいだしに入れても、程よい食感を楽しめますよ。そして梅干しが合う!茹でた梅干しですが、酸味が残っていてさっぱり。上品なかつおだしと梅干しの酸味がマッチして、お腹にやさしく収まりました♪



いつも通りに作った「そうめん」と食べ比べしてみた!



筆者がいつもそうめんを保存している場所は、乾物や缶詰などを入れているキッチンの引き出しです。大抵、開封後のそうめんがすっぽりと入るジッパー付き保存袋がないため、開封した部分にビニール袋をかぶせて輪ゴムで留めてストックしています。

そうめんは乾麺なので湿気対策をそれほど気にしておらず、こんな感じで常温保存しています。



茹でる時はたっぷりのお湯でパッケージ通りに茹でます。もちろん、梅干しなんて入れません。

今回は食感の違いを試すため、格上げ裏ワザで茹でたそうめんと同じ、三輪そうめん1束を2分茹でました。茹で上がったそうめんは流水で揉み洗い。氷水で冷やす工程は面倒なので、いつも流水で冷やすだけです。器に盛って食感の違いを試してみましょう!

そうめんの格上げ裏ワザなしの「そうめん」は…なんだかボンヤリとした食感



お湯で2分茹でて流水で揉み洗いしながら冷やした、いつも通りのそうめんです。つゆは冷蔵庫に冷やしておいた2倍濃縮のものを水で薄めました。

食べてみると、そうめんにやや油っぽい香りを感じます。そしてそうめん同士がくっつき気味で、食感がやわらかい。なんだか団子状のそうめんを食べているかのような食感です。

格上げ裏ワザの「極上そうめん」は1本1本がキリッとしていたのに、こちらのそうめんはボンヤリとしている感じ。明らかに食感の違いを感じました。

麺職人・山下勝山さん直伝の裏ワザはとても簡単!そうめんがおいしくなる♪



『ソレダメ!~あなたの常識は非常識⁉~』で知ったそうめんの格上げ裏ワザを試してみて、ほんの少しの工夫でそうめんのコシや風味が変わると、わかりました。

つるっとのど越しのよいそうめんは、夏に頻繁に登場するメニューですよね。ぜひこの裏ワザをマスターして、今年の夏もおいしいそうめんを召し上がってくださいね。

<参考文献>
WEB

『三輪素麺振興会~三輪素麺の歴史~』 
https://miwa-soumen.net/story/