“不適切世代の代表”?(『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』公式Xより)

写真拡大

 テレビから姿を消して久しいとんねるず石橋貴明(62才)が、久々にホームグラウンドで爪痕を残した。22日に放送された『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』(フジテレビ系)が、平均世帯視聴率7.7%(ビデオリサーチ。関東)、平均個人視聴率4.8%をマーク。しっかり存在感を示した。

【写真】石橋貴明を後押し?盟友とも言える社長のスーツ姿

 石橋が地上波レギュラーを失ったのは2021年のこと。『とんねるずのみなさんのおかげでした』が2018年に打ち切りとなり、深夜で『石橋貴明のたいむとんねる』や『石橋、薪を焚べる』といった番組を細々と続けたが、これも終了して、活動の主軸をYouTubeやWEB番組などに移した。しかし、「細かすぎて」は、「みなおか」の人気コーナーが特番で復活したもので、今回は第8弾。自信の企画でしっかり数字を稼いだ。

「結果論ではありますが、『細かすぎて』のフォーマットは、YouTubeやTikTokの速いテンポに慣れた若者にピッタリです。モノマネは1人あたり30秒から1分程度で、細切れで見ても違和感がない。視聴率もまずまずでしたが、TVerの再生回数ランキングで総合BEST3に入っているのは、若年層に受け入れられている証拠です。

 石橋は番組放送前、『視聴率ベスト20にこの何か月、フジテレビの番組が入ってない』『絶対ベスト10に入れます』『不適切時代の代表・石橋貴明が“テレビとはこういうもんだ!”とフジのみんなに見せ付けてやろう』と宣言していましたが、この視聴率にほっと胸をなでおろすとともに、強い手応えを感じたことでしょう」(キー局関係者)

 前述の通り、地上波ではなかなか姿がお目にかかれない石橋だが、年始の『とんねるずのスポーツ王は俺だ!!』(テレビ朝日系)でも毎年、高視聴率をマーク。その背景に、石橋の巧みなシフトチェンジがあるのは見逃せない。ベテラン芸能記者の石田春男氏は言う。

「最近のテレビはとにかくコンプラ第一。“それがテレビをつまらなくしている”という指摘もありますが、コンプラとは最も縁遠い存在だった石橋も、時代に合わせて言動や立ち振る舞いをしっかりアップデートしています。かつてのように女優や女性アナにセクハラまがいのことをしたり、容姿をイジったり、若手芸人らに高圧的に絡む場面はなくなり、すっかりソフトになりました。

 コンプラ重視に対する反発心も、石橋に有利に働いているように思えます。ドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)のヒットを見ると、多くの視聴者にテレビ黄金時代への郷愁があるのは間違いなく、石橋はその象徴のような存在。石橋には破天荒な言動をすることが期待されており、“そういう人だから”という了解事項が成立している。すっかり丸くなりましたが、“何をしても許される人”というポジションは強いですよ」

 こうなると彼の全盛期を知る世代の人間からは、「もっと石橋を見たい」という声も上がりそうだが、そんな展開はあり得るのか?

「今やすっかり地上波とは距離を置く石橋ですが、フジテレビの港浩一社長とは20代の頃からの盟友ですし、現在各局の上層部の人間はバリバリのとんねるず世代。ヒロミが長い潜伏期間を経て華麗に復活したように、石橋が再び最前線に戻ってくる可能性は十分にあるでしょう。問題はギャラですが、そこはお互いがすり合わせて妥協できるラインを探れば良いだけです。

 石橋は趣味も幅広いですし、バラエティはもちろんトーク、スポーツ、音楽、料理など、MCを任せられる番組はいくらでもある。ここ2〜3年、バラエティ番組は世代交代が一気に進みましたが、同じ芸人ばかりにMCが集中し、スピード打ち切りになる番組も続出している。石橋の起用は目先を変えるという点でも有効ですし、大御所復権の目はあるかもしれません」(キー局関係者)

 11月にはとんねるずの29年ぶり武道館ライブも控えており、こちらも大きな話題になるのは必至。タモリやビートたけしが少しずつフェードアウトし、松本人志も目下“お休み”するなか、“テレビの申し子”がもう一度脚光を浴びるかもしれない。