いつオファーがくるかわからない状態を待ち続けるより、お店で働いた方が効率は良い。勤務先が大人のお店(時に風呂屋だったりデリバリーサービスだったり)の場合は病気等のリスクと隣り合わせだが、肩書きがあると客がつきやすいし、何より嬉しい日給制だ。即日即金、日給10万円以上を目指せる環境に加え、夜職は撮影現場ほど長く働かなくていい。数々のメリットに気づき、収入を優先するのなら、女優業をサブ程度に考えるのはある意味頭が良いと言えようか。

◆専業女優が減ることによる弊害

 昔から夜職メイン+サブで女優業という女性たちは一定数いる。今になって始まったことではないが、令和の時代は無駄を省いた効率重視だからこそ「肩書きを活かせる夜職組」が増えているらしい。いくつも仕事を掛け持つのは面倒くさいし、すべて体力勝負の仕事となれば体調面での心配が大きい。

 けれども昔のように、思った通りの稼ぎを得られないのであれば、みんな他の方面へ流れていく。一つの仕事への執着が薄れるのも、仕方がない話だろう。

 とはいえ専業女優が減ると、セクシー女優としてのし上がりたい熱血マンが少なくなる。結局スターの道を歩むのはやる気があるタイプ。可能性がなくなって“夢を見られない世界”と思われれば、いずれは業界が縮小してしまうかもしれない。今一度裏方たちは体制を見直し、少しでも状況がマシになるような策を練るべきだと私は思う。

文/たかなし亜妖

―[元セクシー女優のよもやま話]―

【たかなし亜妖】
セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。