幕下力士を相手に相撲をとる朝乃山

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 大相撲夏場所を右膝のケガで全休した小結朝乃山(高砂)が20日、都内の部屋で稽古し、幕下と16番連続で相撲をとった。左上手を素早く引いて、得意の右四つで寄り切る内容がほとんど。18日から相撲をとる稽古を再開したことを明かし「いろいろ確認というか、できることをやりながら。今日はおとといよりも動いている感じはしている。怖さはそこまでなかった」とうなずいた。

 4月25日の千葉・木更津巡業で右膝内側側副靱帯(じんたい)を損傷。全治3週間と診断された。夏場所はケガでは自身初の全休。「また無理して出たら、力士生命が終わっていたかもしれないので」と、慎重に復帰に向けてリハビリを積んできた。

 この日は7、8番とったあたりから息が上がり始めた。「スタミナ面はやっぱりきつかった。ちょうど暑い時期だし。徐々にここから戻していかないとダメ」と課題を認識。一方で、患部への不安は「いざ(相撲を)とってみると、まだ大丈夫だった。これが出稽古にいって、関取衆ととった時にどうなるか」と想定より感じなかったことは好材料だ。「ちょっと鈍っていた足の運びとか、感覚を戻していきたい」と改善点を挙げた。

 昨年の名古屋場所からの直近6場所で、休場は全休1場所を含む4場所。左上腕、左ふくらはぎ、右足首、右膝と、さまざまなケガに悩まされた。名古屋場所(7月14日初日、ドルフィンズアリーナ)では、幕内中位から下位に番付をさげることが予想される。目標は「成績どうこうより、15日間皆勤しなきゃいけない」とシンプル。その先に「勝っていけば、また上位と当たれる。そこで勝っていけば、また結果が違ってくる」と好成績もついてくる。元大関の地力は十分。初日まで残り3週間余り、まずはコンディションを万全にすることに集中する。