朝日新聞社員の名刺を不正利用し…30歳の偽記者「大学のチアリーダーらを撮影」華麗なるプロフィール

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「朝日新聞です」

こう話して、男は新聞記者を装い大学の応援団員やチアリーダーらを撮影していたようだ。

6月12日、警視庁築地署が私印不正使用の疑いで逮捕したと発表したのは神奈川県鎌倉市に住む同市消防本部職員・野見山大地容疑者(30)だ。逮捕容疑の事件が起きたのは4月8日。東京都新宿区の明治神宮球場前で、私立大学の応援団を撮影しようと元朝日新聞社員の名刺を学生に渡したとされる。

本誌カメラマンは、野見山容疑者の送検の様子を撮影。警察署の護送口から出る瞬間は前を向いていたが、報道陣に気づくと急に顔を伏せた。

自宅から腕章など約40点

「春の大学野球シーズンに入ってから、朝日新聞の記者になりすまし応援団に取材を申し込む事例が増えていたそうです。記事が掲載されないことを不審に思った大学側が朝日新聞に連絡。同社は警察に相談し、野見山容疑者の犯行が発覚しました。

警察が野見山容疑者の自宅を捜索すると、元朝日新聞社員の名刺や『報道』と書かれた腕章などおよそ40点が見つかっています。野見山容疑者は犯行を認め、こう供述しているそうです。『フリーランスより朝日新聞の記者を名乗ったほうが取材を受けてもらえやすいと思いました。応援団やチアリーディングを撮影しました』と。野見山容疑者は名刺を偽造していたとみられます」(全国紙社会部記者)

冒頭で紹介したとおり、野見山容疑者の職業は消防士。一方で別の一面もある。カメラマンとして華麗なるプロフィールがあるのだ。

「幼少期をタイで過ごした野見山容疑者は、世界各国の自然に魅了されカメラマンになったそうです。ドローンでの撮影を得意とし、旅行した国は70ヵ国以上。腕前はプロ並みで、メディアにもたびたびとり上げられ映像作家としても活動していました。東京や神奈川に展開するタイ料理店の経営者でもあるんです」(カメラ誌編集者)

警察は、野見山容疑者に余罪があるとみて捜査を進めている。