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クルマ家電もコネクテッド化がますます進展

4月19日、日産自動車(以下、日産)、パナソニック・オートモーティブシステムズ、パナソニックくらしアプライアンス社は、日産が提供する「ニッサンコネクト(Nissan Connect)」とパナソニックが提供する「音声プッシュ通知」を連携させて、家庭内の家電を通じてクルマの移動情報や状態を音声で通知する新サービスを開始した。

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近年、インターネットを介して外部とつながるコネクテッドカーは増加傾向にあり、2023年には3410万台(40%)だったが、2030年には4990万台(70%)に増加すると予測されている。


日産とパナソニックが新サービスを開始

また、IoT家電(インターネットを介して通信できる家電)も増加傾向にあり、2023年には出荷台数が1353万台だったが、2030年には3000万台に近づくと予測されている。

今回、日産とパナソニック・オートモーティブシステムズ、パナソニックくらしアプライアンス社が新たに開始するサービスは、クルマで出かけた家族の帰宅や電気自動車の充電完了などの情報をパナソニックの対象家電(テレビ/ロボット掃除機/LEDシーリングライト/ドアホン)を介して音声で通知する。つまり、クルマからの情報を自宅の家電が通知してくれるというわけだ。

これによって、日々のくらしの中で起こりがちな「うっかり」を減らすとともに、家族の帰宅時間がわかることで、その後の家族の予定が組みやすくなるなど、クルマ家電の連携で、より快適・安心なくらし体験を提供し、家族のつながりを深めていく。

出かける前や充電、そして防犯などの情報を通知

では、今回どんなサービスが通知されるのかを紹介していこう。

まず「お出かけ前の通知」。ニッサンコネクトで出発時間を入力しておけば、家電が「もうすぐ出発の時間です」と教えてくれる。


日産とパナソニックが新サービスを開始

さらに、暑い季節や寒い季節などは「○○(車名、以下同じ)の乗る前エアコンをONにする場合は、スマホのアプリから行ってください」と「乗る前エアコン推奨通知」もしてくれる。

次に「ゾーンアラート通知」。あらかじめ地図アプリでエリアを設定しておくと、クルマがそのエリアに入ると「○○が設定エリアに入りました。」と教えてくれる。家族の帰宅タイミングが分かり、その後の予定が組みやすくなるといったメリットがある。

「充電に関する通知」では、自宅の充電施設を利用する場合「○○の充電を開始しました」と通知されれば、家族が帰宅したことも分かる。また「○○の充電が完了しました」と充電完了も教えてくれるので、充電しているのを忘れていても気づかせてくれる。

そして「防犯通知」。不審者にクルマのドアノブなどをイタズラされたりすると「カーアラームが作動しました。お客様の○○が不正に操作された恐れがあります」と教えてくれる。

深夜など想定時間外にクルマが始動すると「○○の始動を検知しました。スマホのアプリから車両位置を確認できます」と、昨今増えている車上荒らしや盗難にも対応してくれる。

これらのメッセージは音声で発せられ、テレビでは文字でも表示される。

さらに広がる、クルマと暮らしのシームレスな連携

これまでも、ニッサンコネクトでは2019年から車両に内蔵されている専用車載通信ユニットと情報センターが通信することで、ドライブや充電などに便利な情報を提供するサービスを行っていた。

出発時から車内を快適空間にする「乗る前エアコン」、ナビの地図を最新に更新するOTA地図自動更新、充電スポットの満空情報確認や検索ができるEVサポート。緊急時にスイッチを押すだけで専門オペレーターが対応するSOSコールなどのコンテンツを多数揃えている。


日産とパナソニックが新サービスを開始

一方、パナソニック家電も、テレビ/ロボット掃除機/LEDシーリングライト/ドアホンから忘れがちな「ゴミの日」や「薬の時間」出かける前に便利な「今日の天気」などをくらしに役立つ情報を音声で知らせて、くらしをサポートしてきた。

さらに、対応のIoT家電と連携させると、家電の運転状況を知らせたり、情報共有を通じて家事のスムーズな段取りや家族との分担に役立つ。また、知らせる内容は自由に設定できる。

今までも他社でアプリの情報をクルマからスマートフォンへ伝えるサービスはあったが、家電を使って家中の家族に伝えるというサービスは、これが初めてのものだ。

日産とパナソニックでは、今後も新たなサービスの展開を検討している。

たとえば、クルマが自宅に近づくと室内のエアコンをONにしたり、冷蔵庫の欠品をクルマに伝える、なんてことも将来的には検討されている。自宅の冷蔵庫から愛車に「牛乳がなくなったから買ってきて!」なんていうメッセージが届くのも、そう遠い未来の話ではなさそうだ。