4月3日に公開されたYouTubeチャンネル『ニューヨーク Official Channel』に、おいでやす小田さんがゲスト出演していました。

 小田さんは同じピン芸人のこがけんさんとユニットコンビ・おいでやすこがを結成。『M-1グランプリ2020』(朝日放送系)で準優勝したことをきっかけに、人気芸人の仲間入りを果たします。

 そこから今なお多数の番組に引っ張りだこで、人気を維持しているにもかかわらず、現状が「楽しくない」と同チャンネルで心境を吐露し、ニューヨークを驚かせていました。

 楽しくない理由について、小田さんは「なんも考えんとワァー! って言ってたときのほうが楽しかった。番組やスタッフさんのことを考えてなかった。出始めの頃はもっと(ツッコミが)きつかったもん。スタッフさんに『しばくぞ、コラ!』とか『おまえ、ええ加減にせいよ!』とか。(当時は番組に)出続けれると思ってないから『関係あらへん』と思って言っててん」

 現在は、ADさんが寝ずに仕事をしているなど番組スタッフのいろいろな思いを知るようになったことで、遠慮するようになってしまったそうです。

 小田さんがいちばん楽しかったのは、言いたいことを言っていた2021年だと告白。筆者は同年に、おいでやすこがのお2人にお話をお聞きしています。

こがけん「最近、小田さんのキレるツッコミの歯止めが利かなくなってきてるんですよ。僕らを密着してくれてる番組のスタッフに『いつまで撮ってんねん!!』ってツッコんでますから。いや、密着だから撮るでしょ(笑)」

小田「それはスタッフが僕に『そう言って欲しいんと違うんかな?』と思っちゃうんです」

筆者「スタッフさんはそうは思ってないと思いますよ。それは自意識過剰じゃないですか」

小田「なんや!(ブチギレ)」

筆者「いや怖いです(笑)」

小田「違うんですよ。僕は全然声を張り上げたくないんですよ」

筆者「今、キレれたのも本意ではないんですか?」

小田「そうです。サービス精神でやってます。ホンマにそうなんですよ」

筆者「本意ではないと言われると、こちらも気を使いますよ。無理やり言わせてるみたいになりますから」

小田「言わしとるやないか!!(ブチギレ)」

 確かに、当時のツッコミは今ほどマイルドさがなかったかもしれません。

 筆者が小田さんのキレるツッコミを誌面で表現するのが難しいしと嘆くと――。

小田「それは『!』の数でやってください。僕は自分で書くネタ帳でそうしてますもん」

 小田さんは『!』の数で台詞のトーンの大きさがわかるようにネタ帳に表記してると言うのです。

こがけん「でも小田さんは本番になると台本の『!』の数を守らないんです。本番はとんでもない怒り方をして3つぐらい『!』を足しちゃうんで(笑)」

 今の小田さんは『!』の数を以前より1、2個少なめに突っ込んでいるようです。小田さんと言えば周りにいじられてシャウトするツッコミが面白い。ですから、個人的には、スタッフさんや番組に気を使わず、2021年当時のように何も考えずにガンガンにキレてツッコむ姿を見たいです。

インタビューマン山下
1968年、香川県生まれ。1992年、世界のナベアツ(現・桂三度)とジャリズム結成、2011年に解散。同年、オモロー山下に改名し、ピン活動するも2017年に芸人を引退しライターに転身。しかし2021年に芸人に復帰し現在は芸人とライターの二足のわらじで活動している。