「ナポリタン」や「シーフードドリア」などいまや定番となった料理を生み出し、日本の食を牽引してきたグルメタウン・横浜。

この街に住む人はもちろん食感度が高く、そんな人たちに愛されている店なら美味しいに決まっている!

イタリアン、フレンチ、居酒屋、おでんまで。横浜の地元民で賑わう、おすすめの人気店を厳選して6軒ご紹介!


1.「横浜MORE′S」から徒歩3分!横浜の情緒が漂う洋館は、地元民羨望のイタリアン
『CAMBUSA』



看板がないため初めてのゲストが一度は通り過ぎてしまうという


看板を掲げない一棟イタリアンとして、『CAMBUSA』が店を構えたのは14年前。再開発が始まる前ということもあり、辺りはいまよりずっと薄暗く“隠れ家”然としていたという。

だが、時を経たいまもその趣は健在。成長したジャスミンの蔦の合間から漏れ出す明かりだけが、ここが店だと教えてくれる。



ナポリから取り寄せた薪窯で使用するのは楢の木。ピッツァは60〜90秒という短時間で一気に焼き上げることで、素材のフレッシュさを際立たせる


常連客のお目当ては、楢の薪で焼き上げられた本格的なナポリピッツァ。

トッピングは、すべて片手で収まるほどの食材のみで仕上げるなど、ごくごくシンプル。だが、石臼挽きの湘南小麦などを独自ブレンドした香り高い生地の上で焼かれると、驚くほど素材が躍動する。

チーズの塩味がぐっと食欲を増幅させ、伸びる手が止まらない。




メニューはプリフィックスコース(8,800円)が基本。

この日のメインは「熊本赤うし イチボの炭火焼き」。



「毎週金曜のランチに必ずこの席を予約してくれるマダムもいます」とシェフ


いつ訪れてもブレないスタンダードこそ、最強。そう思わせてくれる横浜きっての良店だ。


「『自慢の窯焼きピッツァ』を目当てに、10年通い続けるマダムもいます」


「店名のカンブーザはイタリア語で船の食料貯蔵庫という意味です。横浜という港町で世界各地から取り寄せた食材をぜひ味わってください」


■店舗概要
店名:CAMBUSA
住所:横浜市神奈川区鶴屋町2-11-2
TEL:045-512-8882
営業時間:ランチ 11:30〜(L.O.13:00)
     ディナー 18:00〜(L.O.20:00)
定休日:月曜
席数:テーブル24席



2.「港の見える丘公園」から徒歩5分!イタリアンと相性のいい横浜で、この本場感に信頼が集まる
『RIO'S Buongustaio』


figcaptionイタリアの古いトラットリアを彷彿とさせる運河沿いの店構え/figcaption/figure
pbr/元町のメインストリートから目と鼻の先ながら、古い風情を残す運河沿いの道にあるトラットリアがa href="https://gourmet-calendar.com/restaurants/25083277?utm_source=article_27370&utm_medium=referral&utm_campaign=tcw" target="_blank"『リオス ボングスタイオ』/aだ。br/br/通りすがりの人ではなく「この店の、あのメニューが食べたい」という地元のファンで、毎夜賑わっている。/p
figureimg src="https://d35omnrtvqomev.cloudfront.net/photo/article/article_part/image_path_1/647994/67b81255c40ca6fc4d131f65fbb4a5.jpg" alt="元町・中華街『RIO"S Buongustaio』の内観">
赤を基調にした店内には、ローマのサッカーチーム「ASローマ」の旗や現地で買い求めたポスターなどが並ぶ


オーナーシェフの渡部竜太郎さんは、ローマとナポリで過ごした7年の修業期間を経て、2011年に横浜・山下公園そばにあるリストランテ『SALONE2007』へ。5代目シェフとして現代的に構築したイタリア料理で好評を博した。

2014年にこの店を開くにあたってイメージしたのは、自身がローマの地で感銘を受けた料理をそのまま提供する、気取らぬ店。

現地と同じ素材や調理法といったディテールの積み重ねを大切にして、本場の味を紡ぎ出す。


pbr/圧倒的な人気を誇る「ブカティーニのアマトリチャーナ」1,500円。br/br/天日乾燥のパスタ、グアンチャーレ(豚頬肉の塩漬け)、ペコリーノチーズなどのイタリア食材を厳選し使用している。/p
figureimg src="https://d35omnrtvqomev.cloudfront.net/photo/article/article_part/image_path_1/647996/d750b2ab983b023d00ecd44e434f3c.jpg" alt="元町・中華街『RIO"S Buongustaio』の「サルシッチャ」">


粗く挽いた豚肉がたっぷりと詰まった「サルシッチャ」1,100円(1本)。

ういきょうとローズマリーがさわやかに香る。


figcaption皮付きの豚肉にハーブやニンニクを巻き込んでローストした郷土料理「ポルケッタ ノルチャ風」1,200円。本場の味わいをイメージして、肉質は硬めだが旨みの強いヨーロッパ産の豚肉を使う/figcaption/figure
pbr/“リオ(渡部さんのイタリア時代のあだ名)のうまいもの屋”という意味の店名に、偽りなしだ。/p
h5「『いつものを!』と、お気に入りの一品を目当てに来てくれるのが嬉しくて」/h5
figureimg src="https://d35omnrtvqomev.cloudfront.net/photo/article/article_part/image_path_1/647999/b5b06df9407565097245bc28950dbd.jpg" alt="元町・中華街『RIO"S Buongustaio』の渡部竜太郎シェフ">


「横浜の人は、異文化や新しいものを柔軟に受け入れてくれるし、わけへだてのないフレンドリーな人が多く、過ごしやすい街ですね」


■店舗概要
店名:RIO'S Buongustaio
住所:横浜市中区元町1-23-1 リバーサイド元町 1F
TEL:045-222-6101
営業時間:ランチ 12:00〜(L.O.13:00)
     ディナー 17:30〜(L.O.21:30)
定休日:日曜、月曜不定休
席数:テーブル18席



3.「野毛」のどこか。行燈が目印!住所や電話が非公開でも、満員御礼の上品おでん
『ゑぶり場亭゛』



本屋久杉のカウンターは8席のみ。4坪のこぢんまりとした空間で、おでんの優しい出汁の香りに包まれながらじっくりと美味に浸れる


野毛や横浜で人気の居酒屋『ゑぶり亭゛』系列の店として、一昨年10月に誕生した『ゑぶり場亭゛』。住所と電話番号は非公開にもかかわらず、2ヶ月先まで予約が埋まる人気ぶりだ。

「野毛で飲む大人たちが満足できる店にしたい」と、あえて飲食店の少ない静かな路地で暖簾を掲げ、こだわり抜いた食材、酒、器でもてなす創意工夫に満ちたおでん店をオープンした。



「定番のこんにゃくや大根から、葛切り、なす、大山鶏のささみ、牡蠣フライなど変わりおでんも多数用意しています。オススメだらけです!」と店主。おでんは常時30種類ほどで100円〜680円と手頃


おでんの味を決める出汁は、軟水、塩、薄口醤油、追い鰹で仕立てた上品な味わい。

このあっさりとした出汁が定番の大根から、葛切り、竹輪の磯辺揚げといった変わり種までバチッとハマる。




八戸の竹輪を磯辺揚げにして、出汁に浸して味わう「竹輪」300円。




希少部位の“ツカミ”を味わえる会津若松産の「馬刺し」(590円)も名物。



「自家製豆腐の厚揚げ」(450円)は外がサクサクで中はミルキー。41種類をブレンドした塩が大豆の香りを引き立てる


合間に一品料理を挟みつつ、黒毛和牛のサーロインとトリュフを使った土鍋ご飯で〆。



グルカレで予約すると、店舗から連絡が入る。その際に住所や電話番号など詳細の確認を!


都内の高級店さながらのクオリティを予算1万円で満喫できるとあって、“上質さ”を求める客たちで連夜席が埋まっている。


「『毎日食べたい、優しい味わい』と野毛っ子に愛されてます」


気鋭の飲食店を展開する楽コーポレーション出身で、2018年に独立。

「地元愛に溢れる人が多い横浜は、人のつながりが強いのも魅力です」


■店舗概要
店名:ゑぶり場亭゛
住所:非公開(予約後に店舗より連絡)
TEL:非公開
営業時間:18:00〜(L.O.23:00)
定休日:不定休
席数:カウンター8席



4.「ハイアット リージェンシー 横浜」から徒歩2分!“食べたいものを気取らずに”が叶う、骨太フレンチ
『restaurant Artisan』



いわゆるビストロ風ではないモダンなインテリアは、佐藤さんがNYで訪れたレストランをイメージ


「熟練の技術から生まれるフランスの伝統的な料理を味わってほしい」という想いが店名に込められている『レストラン アルティザン』。

それでいて、雰囲気やサービスは堅苦しくなく、ホスピタリティ満点なのが人気の理由だ。

メニューには前菜類から魚・肉料理まで優に50種類以上が並び、プリフィックスコース(昼夜とも4,400円〜)の選択肢も目移りするほど。

その上、ボリュームも気前が良くて、言うことなし!




プレーンなクレープ生地に、トリュフとバターをふんだんに削りかけた「トリュフクレープ」7,150円。

芳しいトリュフの香りをこれでもかと楽しめる。




パイ生地の中にサーモンのミキュイを入れ、滑らかなソースオランデーズをかけた「45℃で1時間焼いたサーモン〜ニューヨークの朝食〜」(1,980円)は、定番の人気メニュー。




ハーブや塩コショウでひと晩マリネしたひな鶏を専用のフランス製のロティサリーマシンで焼き上げる「ローストチキン」(8,800円/2名分)は、付け合わせもたっぷり!



店は、官庁街の一角にあるタワマンの2階。窓が大きい空間は、開放感あり


オーナーシェフの佐藤 剛さんは、有名店での修業を経て渡仏。

帰国後、一度は沖縄で独立開業するも、2010年にマダムの地元である横浜で改めて店をオープンした。そして2018年に現在の場所に移転し、ますますその名を轟かせている。

「フランス料理の裾野を広げたい」という佐藤さんの信念は、横浜の街に確実に根付いている。


「昼はマダムが、夜は紳士が、ワイン片手に優雅に楽しむ姿が日常」


「横浜の人はみんな横浜が好き。地元愛が強いなあと思います。また横のつながりも強く、ご紹介で来店されるお客様も多いです」


■店舗概要
店名:restaurant Artisan
住所:横浜市中区日本大通36 シティタワー横濱 日本大通り 2F
TEL:045-228-8189
営業時間:【月〜金】11:30〜(L.O.21:00)
     【土・日・祝】9:00〜(L.O.21:00)
定休日:無休
席数:カウンター7席、テーブル25席
※現金使用不可



5.「野毛ちかみち」南1出口から徒歩3分!目利き店主が厳選した刺し盛りに、ハマっ子が殺到
『野毛 ウミネコ』



うなぎの寝床のように細長いカウンターは、連日満席。掛け時計や食器棚などは、『ウミネコ』の前にこの場所にあった『侘助』から譲り受けたもので、レトロな雰囲気を醸している。2階はグループで利用できるテーブル席も用意


安旨な酒場がひしめく野毛の地元民たちが、「魚を食べるならここ」と声をそろえるのが『野毛 ウミネコ』だ。



「刺し盛りは、日によってネタが変わります」と店主。この日は三崎で仕入れたブリの腹と背、真鯛、鰆、真鯵など9種類。「刺し盛り」(1,320円)は1人前を2名でシェアしてもOK


この店の看板は、ボリューム満点の刺し盛り。9種類ふた切れずつが皿に載って1,320円。この量で1人前というから驚きである。

店主の齋藤佑一さんは、ほぼ毎朝仕入れのために三崎まで足を運び、時には自ら海で釣った魚も店に出す。

「仕入れが趣味で、いい魚があれば全部買ってくる」から必然的に種類が増え、「たくさん仕入れるために薄利多売しているんです」とはにかむ。

刺身、天麩羅、煮魚、焼き魚とシンプルな魚料理が壁の短冊札に並び、それらの調理を齋藤さんがひとりでこなす。




「鰆の煮付け」(1,188円)は、創業以来継ぎ足している、魚の出汁が凝縮した煮汁でほろほろに煮込む。




北海道産の鱈の「白子焼き」1,298円。

香ばしくとろとろの味わいが、『君嶋屋』から仕入れる銘酒と相性抜群。



暖簾から光がもれる


客との会話はほぼないが、ここを訪れる客の目当ては、野毛らしい密な接客よりも極上の魚と旨い酒。

誰もが満足の表情を浮かべ、腹を満たして帰っていく。


「『刺し盛りの1人前の量が多すぎ』って常連に笑われます」


横須賀生まれ。ラーメン店や居酒屋を経て独立。

「野毛は活気があって庶民的。変な店も受け入れてくれるから個性が出しやすいですね」


■店舗概要
店名:野毛 ウミネコ
住所:横浜市中区野毛町3-122
TEL:045-262-0418
営業時間:【月・火・木〜土】18:00〜(L.O.22:00)
     【日・祝】17:00〜(L.O.21:00)
定休日:水曜
席数:カウンター8席、テーブル8席



6.「横浜野毛仲通り」入口から徒歩2分!野毛が誇るローカルチェーン「BASIL」の旗艦店!
『TRATTORIA BASIL』



エレベーターが開くと、扉がすぐ目に飛び込む


規模の小さい呑み屋が立ち並ぶ昭和な雰囲気が残る野毛に、お洒落さで目を惹く立ち飲みバル『イタリアンバル バジル』を出店し、いまや野毛一帯に飲食店5店舗を展開するまでに成長したバジルグループ。

この店をきっかけに、野毛は女性も楽しめる街へと変貌した。

今回紹介する『トラットリア バジル』は、その5号店で、イタリアの大衆食堂をイメージしたアットホームな店だ。



立食時最大100名まで対応可能なため、グループ利用しやすいのも嬉しい。カウンター席もあるので、ひとりで気軽に一杯も叶う


夕方になると、本格的なイタリアンをリーズナブルに楽しめると、常連客や近隣のサラリーマンが続々と訪れる。




自家製ビスクソースと大ぶりの赤エビの出汁が効いた「エビのトマトクリーム」1,848円。




自家製の田舎風パテ、生ハム、モルタデッラ、鴨の生ハムが盛られた「ハムの4種盛り合わせ」(1,848円)は、グループ客に人気。



希少部位の「かめのこ」を使用した「黒毛和牛ソテー」2,640円。わさびと岩塩でシンプルに味付けすることで、肉の旨みが際立つ


客のほとんどがオーダーするのは、スパークリングワインもOKの「飲み放題」(2時間 1,650円、金土日祝・祝前日は2,200円)。常連客からは「安過ぎる!」と逆に心配されるという。

野毛ならではの心温まるサービスを求める常連たちで、今宵も次々と席が埋まっていく。


「陽気なハマっ子や、近隣のサラリーマンで連日大賑わいです」


大学生時代に1号店に通い、気付いたら社員になっていたという店長の網野さん。

「スタッフの元気の良さも、楽しいと評判です」


■店舗概要
店名:TRATTORIA BASIL
住所:横浜市中区花咲町1-40 3F
TEL:045-241-3708
営業時間:【月〜金】16:00〜(L.O.23:00)
     【土・日・祝】14:00〜(L.O.23:00)
定休日:無休
席数:カウンター13席、テーブル55席


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