羽生結弦 離婚苦境で浮上する「現役復帰」の現実味…ツアーでは“匂わせ発言”も
19日の夜、横浜のホテル前で、母と並んで座っていた車から降りた羽生結弦(29)。疲労と安堵の入り交じった表情を浮かべていた。
「この日、羽生さんはアイスショーツアー『RE_PRAY』の千秋楽を終えたばかりでした。ツアーを無事に完走し、達成感に満ちていたのでしょう。ふだんはすぐ仙台に戻る彼も、今回ばかりは近場で疲労回復に努めたようです」(フィギュア関係者)
実際、羽生はこのツアーに並々ならぬ熱意を注いできた。公演後の取材では、《試合やってるときよりも練習した》と言い、スケジュールを明かしていた。
《朝起きて1時間ストレッチとトレーニングして、で、練習行って、3時間トレーニングとスケートして、帰ってきて1時間半トレーニングして、で、寝る前に1時間イメトレして、みたいな日々》(「スポーツ報知」、2月19日配信)
その勢いは言葉の端々にもにじみ出ていたという。スポーツ紙記者はこう語る。
「羽生さんはツアー中、“試合”や“競技者”など、現役時代を思わせる発言を連発していました。
挨拶では、今の感情を“自分の中でオリンピックとったなぐらいの勢い”とたとえたり“構成上、フリーとほぼ同じ状況に挑みたいと思って作った”と説明したり……」
羽生を突き動かす情熱の正体は一体何なのだろうか。
「競技から退いて約1年半。前代未聞のショーを次々と成功させましたが、比較対象がいないため、頭打ちな部分もあるのでは。いまだに誰かに勝ちたいという気持ちは消えていないと思います。
今後の構想は“すっからかん”だと話していましたが、現役復帰を目指す可能性もあるのではないでしょうか」(前出・スポーツ紙記者)
もしその場合、再起の場にふさわしいのは五輪だろう。羽生は’22年の北京五輪後の会見で、
「このオリンピックが最後かと聞かれたらわからない」
とほのめかしていた。それに、五輪争いには彼の強敵も参加する。
「4回転半ジャンプを成功させたイリア・マリニン選手、’22年11月に現役復帰した、私生活でも仲のいい織田信成選手など、羽生さんのライバルたちが勢ぞろいです」(前出・フィギュア関係者)
さらに、ある事情が羽生を復帰へと駆り立てる。
「2度五輪を制覇し、フィギュア界の絶対王者として君臨していた羽生さんですが、離婚騒動でその完璧な印象が崩れつつあります。さらに、バイオリニストの元妻は実名で活動再開。彼女が活躍するほど、“一般人”扱いをした羽生家への風当たりが強まります。
この苦境から逆転するには、現役に戻り、真摯な姿を見せるしかない……。そんな選択肢も考えているかもしれません」(前出・スポーツ紙記者)
■フィギュアの実力は現役時代より進化
次の冬季五輪は’26年、ミラノで開催される。羽生の今の実力は、強豪選手たちに匹敵するのか。
スポーツジャーナリストは次のように分析する。
「あのショーには『破滅への使者』という、4回転サルコウや5連続ジャンプを入れた、試合に近い演目があります。最終日にはなんとそれをノーミスで滑っていました。これが本当に素晴らしくて。現役トップでも参考にするような、切れ味のある跳躍でした。
試合に出ればもちろん戦えるレベルです。衰えるどころか、現役時代より進化していますよ」
羽生自身、実力には自信があるようだ。ある日の公演で、突如、
「僕はアスリートとしては勝ちたいって思う」
と宣言したのだ。
「客席から失笑が起きたので、“誰に勝つんだよっていう笑いですよね、今のは(笑)”と慌てておどけてみせましたが、半分本気の“におわせ”だったのでは……。
ファンの反応が予想外だったことで、むしろ火が付いたでしょう」(前出・スポーツ紙記者)
そもそも羽生は“引退”を掲げてはいない。
「彼の憧れ・プルシェンコは、’06年のトリノ五輪で金メダルに輝いてプロ転向後、競技復帰。’10年のバンクーバー五輪では銀メダルを獲得しました。羽生さんは、これまでも不可能だとされることを可能にしてきました。30代で再び表彰台に返り咲くのも夢ではないはずです」(前出・フィギュア関係者)
とすると、復帰時期はいつごろが考えられるだろうか。
「現状、日本の五輪出場枠は3人分確保できそうだとか。男子は強い選手が多く、争いも厳しいです。
狙うべきは五輪前年の全日本選手権。優勝するだけで出場権が獲得できるのです。’25年のシーズンが始まる7月が候補の一つかと思います。このころには、CM契約の整理も一段落するはず。
ただ、羽生さんの性格なら、ギリギリの時期に決断し、困難な状況から劇的な復活を遂げる、という筋書きを好む気もします」(前出・フィギュア関係者)
アイスショー千秋楽の取材で、
「(目標を)達成してしまった、みたいな感覚で寂しいな」
と語った羽生。次に達成するのは、3度目の金かもしれないーー。