井上尚弥【写真:荒川祐史】

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米メディア&2階級制覇王者が注目したのは

 13日(日本時間14日)にカナダのケベックシティで行われたボクシングのWBC&IBF&WBO世界ライトヘビー級タイトルマッチで、3団体統一王者アルツール・ベテルビエフ(ロシア=カナダ)が挑戦者の元WBA世界スーパーミドル級スーパー王者カラム・スミス(英国)を7回TKOで下し、王座を防衛した。この結果に、元世界2階級制覇王者が条件付きで「彼をPFP1位として真剣に考え始めないといけない」と指摘。米専門メディアが内容を伝えている。

 強敵スミス相手でも、KO勝率100%をキープした。ベテルビエフは7回、右フックから連打をダウンを奪取。再開後も猛ラッシュでTKO勝ちを収めた。これでデビュー20戦全勝全KO。あまりの強さに、海外ファンからも「彼は怪物だ!」「これが本物のモンスターKO」「残酷だ」などと戦慄する声が上がっていた。

 米専門メディア「ボクシングシーン.com」は「ベテルビエフは最近、彼が最も得意としている、一方的に打ち負かす試合をした。最新の犠牲者はスミスで、またしてもトップティアのボクサーが最後のベルを聞くことができなかった事例となった」とこの試合を評価。さらに元2階級制覇王者のポール・マリナッジ氏のコメントを見出しに取り、「ベテルビエフがビボルを倒すことができれば、彼をPFP1位として真剣に考え始めなければならない」と報じた。

 PFP(パウンド・フォー・パウンド)とは全17階級あるボクサーの実力を比較し、体重差がなかった場合の最強選手をランキング化したものだ。マリナッジ氏は、仮にWBA世界ライトヘビー級スーパー王者のドミトリー・ビボル(ロシア)に勝利すれば、ベテルビエフをPFP1位として検討しなければならないとの考えを明かしている。

 記事でもビボルに勝利した場合は「イノウエ、クロフォード、ウシクではなくベテルビエフが最強かどうかについて議論する必要がある」とし、2階級で4団体統一を果たした井上尚弥、テレンス・クロフォード、世界ヘビー級3団体統一王者オレクサンドル・ウシクを上回る可能性にも注目した。

(THE ANSWER編集部)