本田真凜「心が何度も折れそうに…」 骨盤故障も涙の強行出場で44.42点「何が何でも出たかった」 今後は明言せず
フィギュアスケート全日本選手権
フィギュアスケートの全日本選手権(長野・ビッグハット)は22日、女子シングルのショートプログラム(SP)などが行われ、22歳の本田真凜(JAL)は44.42点だった。前夜に右骨盤の故障を告白したが、強行出場で演技を完遂。会場から大きな労いの拍手が注がれた。
本田は笑みを浮かべてリンクに登場した。ピンクの名前入りバナータオルも掲げられた会場。歓声が飛ぶ。ファンの前でSP曲「Faded」が流れると、優雅に想いを表現した。ステップを踏み、ジャンプは全て着氷。コンビネーションも披露すると、大きな拍手に包まれた。フィニッシュを決めると、表情を崩す。感極まり、目元を拭った。
感謝を込めて一礼。拍手は一層大きくなり、退場時には惜しむようにリンクをタッチした。キス・アンド・クライでは、カメラに向かって「ありがとうございました」とペコリ。コーチに労われると、再び感極まって顔を覆った。
取材では「長いスケート生活の中でも一番と言っていいくらい悪いコンディションだった」とコメント。「たくさんの応援してくださる方々の前で心を込めて演技ができたかなと思います。思い切って強い気持ちでできた。公式練習は苦しくて心が何度も折れそうになったけれど、満足しています」と話し、こう続けた。
「こんなに晴れやかな気持ちで終われている自分は珍しい。スケートをしていたから幸せなこともたくさんあったし、苦しいこともいろいろあったけど、スケートをやったからこそ自分がいるし、皆さんにも出会えた。すごく嬉しいです」
今後については「話せることは今はないんですけど、全日本は何が何でも出たい気持ちだった」と特別な舞台だと強調。競技者として今後も続けるのかという問いに、答えを明言しなかった。
本田は21日夜にインスタグラムで練習中に右骨盤を痛めたことを明かしたが、「大学ラストイヤーという節目の年。今年も自分で掴むことが出来た全日本選手権。どうしても出場したいという気持ちが強く、少しでも良い状態で演技が出来る様、努めています」と強行出場を決意。「今回はより特別な全日本選手権になる」「出場すると決めた以上、どんな内容であっても最後まで心を込めて自分らしく滑り切ります」とつづっていた。
11月の東日本選手権で総合5位となり、9年連続の全日本切符を掴んだ。12月20、21日の公式練習では右の股関節付近を気にする様子も見せ、曲掛け練習では強度の高いジャンプを跳ばなかった。大会当日の練習もジャンプ直後に右足を気にする場面があったが、3回転ジャンプを複数回トライ。コーチと入念に動きを確認するなど、30分間リンクで感触を確かめていた。
今大会は28人中上位24人が24日のフリーに進出する。
(THE ANSWER編集部)